ネスレ、新アラビカ品種でコーヒーサプライチェーン強化へ

7月12日、ネスレは新アラビカ品種でコーヒーサプライチェーンを強化する計画を発表した。世界的なコーヒー需要が増加する中、気候変動モデルによれば、2050年までにアラビカコーヒー栽培に適した土地が50%以上減少する可能性が示唆されている。この変化に対応し、サステナブルなコーヒー供給を確保するため、ネスレは農業科学技術を活用している。

ネスレの植物科学者と農学者は、伝統的な育種方法を用いて、高収量のアラビカコーヒー品種「スター4」を開発した。ブラジルで選抜されたこの品種は、ブラジル産コーヒーの特有の味わいと耐性を持っている。

ネスレ農業科学研究所のジェロン・ダイクマン所長は「新しい品種は大粒でコーヒーは、さび病に強い。フィールド試験では、同様の投入物を使用してもスター4の収量がブラジルの主要品種を大幅に上回り、カーボンフットプリントを削減できることが示された」と述べている。

ネスレのグリーンコーヒー開発責任者マルセロ・ブリティ氏は、「コーヒー栽培が温室効果ガス排出の主な要因であるので、栽培方法の最適化は環境負荷を減らすために重要」と指摘している。

スター4の開発は、ネスレの農業フレームワークに貢献し、サステナブルな農業実践と責任ある調達を促進する。最初の試験は、ブラジルの伝統的なコーヒー地域であるサンパウロとミナスジェライスで行われた。さらに、ブラジルの財団プロカフェとの提携により、新品種の登録が成功した。

(原文)Nestlé aims to strengthen coffee supply chain with new high-yielding Arabica variety
(日本語参考訳)ネスレは、高収量のアラビカ種でコーヒーのサプライチェーン強化を目指す

関連記事

“セミナーへのリンク"

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. 【PR】11/20ESG Journal Cafe 『SSBJ基準対応に向けたギャップ分析と改善アプローチを徹底解剖』

    2024-10-28

    【PR】11/20ESG Journal Cafe 『SSBJ基準対応に向けたギャップ分析と改善アプローチを徹底解剖』

    「ESG Journal Cafe」は、「ESG Journal Japan」が主催する会…
  2. 2024-10-24

    S&Pグローバル、「S&Pグローバル気候センター・オブ・エクセレンス」を発表

    10月10日、S&Pグローバルは、「S&Pグローバル気候センター・オブ・エクセレン…
  3. お役立ちツール「開示基準の早見表」のご紹介

    2024-10-15

    お役立ちツール「開示基準の早見表」のご紹介

    ESG Journalでは、実務に役立つ資料やツールを無料で公開しています。今回は、大好評の「開示…

““登録02へのリンク"

ページ上部へ戻る