12月13日、国際金属・鉱業評議会(ICMM)は、資源採掘・金属セクター向けのスコープ3排出量の目標設定ガイダンスを発表した。本ガイダンスは、資源採掘・金属セクターにおけるスコープ3排出量の目標設定に関する指針で、透明性とステークホルダーとのエンゲージメントの重要性が強調されている。
資源採掘・金属セクターは、スコープ3が全体の95%を占め、これは他の企業の平均75%よりも高い割合である。本ガイダンスは、EU、米国、英国、カナダ、オーストラリアの規制枠組みと、2022年3月に設立された国連「非国家主体のネットゼロのコミットメントに関するハイレベル専門家会合」のガイダンスとの整合性を考慮している。
企業の成熟度を4つの段階に分類し、それぞれのフェーズにおいて「会計と報告」「排出量が多いホットスポットの特定」「事業との統合」「カーボンニュートラルへのパスウェイの評価」「ガバナンス」の5つの分野に関するフレームワークを提示し、最低限推奨される手順を概説している。
ICMMは11月、スコープ3排出量の情報開示に関するガイダンスを発表しており、今回のガイダンスはそれに基づく。情報開示ガイダンスは、GHGプロトコルに基づいており、資源採掘・金属セクターの特有の特徴に合わせて調整された。本セクターは地域、商品、プロセスが異なるため、各企業は適切な情報開示の手法を選択する必要がある。 GHGプロトコルの5つの原則に加え、「スコープ3排出量における定量、定性的なマテリアリティの特定」「必要最低限のバウンダリーの定義」「データ改善」「算定方法」など、4つのテーマについても概説している。
【参照ページ】
(原文)ICMM publishes new guidance on setting reduction targets on Scope 3 emissions
(日本語参考訳)ICMM、スコープ3排出量の削減目標設定に関する新ガイダンスを発表