炭素クレジット格付け会社Sylvera、米国での事業拡大資金として約80億円を調達

炭素クレジット格付け会社Sylvera、米国での事業拡大資金として約80億円を調達

7月18日、カーボン・データ・プロバイダーのSylveraは、シリーズB資金調達で5,700万ドル(約80億円)を調達した。本資金は、同社の米国市場への進出を支援し、チームとプラットフォームをさらに強化することを目的としている。

今回の資金調達は、カーボン・オフセット・プロジェクトと関連クレジットに対する需要が今後数年間で大幅に増加すると予想されることを受けたものである。現在、企業やビジネスがネット・ゼロの野望を打ち出すことが増え、自らの絶対的な排出削減努力への橋渡しとして、あるいは排出回避が困難な状況とのバランスをとるために、オフセットに目を向けるようになっている。しかし、規制がなく急成長しているこの市場は、市場参加者が質の高いプロジェクトと低いプロジェクトを区別できず、プロジェクトの有効性を評価するためのデータが不十分であったり、一貫性がなかったりするなど、一連の課題に直面している。

2020年に英国で設立されたSylveraのカーボン・インテリジェンス・プラットフォームは、カーボン・プロジェクトに関する包括的な洞察を生み出す独自のデータと機械学習技術を活用し、企業が質の高いカーボン・クレジットを評価し投資するのを支援する。

Sylveraによると、今回の資金調達で得た資金は、国際的な米国進出を支援するために使用され、同社はニューヨーク・オフィスの開設も発表している。また、炭素クレジットに関する新しいデータや情報を含むプラットフォームの構築や、エンジニアリング・チームと製品チームの成長にも使用される。

今回のシリーズBラウンドは、ベンチャー投資家のBalderton Capitalが主導し、既存投資家のIndex Ventures、Insight Partners、Bain & Company、Salesforce Ventures、Speedinvest、Seedcamp、LocalGlobeのほか、新規投資家のFidelity Strategic Venturesと9Yards Capitalが参加した。

今回の資金調達は、昨年の3,200万ドル(約45億円)のシリーズA資金調達ラウンドに続くものである。その前のラウンド以来、Sylveraは顧客ベースが7倍に成長したと述べている。

【参照ページ】
(原文)Announcing our Series B Round and US Expansion
(日本語参考訳)炭素クレジット格付け会社Sylvera、米国での事業拡大資金として約80億円を調達

関連記事

“ホワイトペーパーへのリンク"

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. 2024-7-23

    シェルパ、東洋経済新報社とシステム連携契約を締結

    7月23日、シェルパ・アンド・カンパニー株式会社が開発・提供する企業向けESG情報開示支援クラウド…
  2. 2024-7-17

    GRI、新たにCSRD/ESRS開示のためのサポートサービスをリリース

    7月10日、GRI(Global Reporting Initiative)は、新しいGRI-ES…
  3. 2024-7-17

    JCI、1.5℃目標に整合する2035年目標を政府に求める。216団体が賛同

    7月8日、気候変動イニシアティブ(JCI)は、「1.5度目標と整合する野心的な2035年目標を日本…
ページ上部へ戻る