11月1日、世界の環境情報開示システムを運営する世界的非営利団体CDPは、高排出企業を対象とした年次科学的根拠に基づく目標(SBT)キャンペーンを開始した。
本キャンペーンは、307の金融機関(FIs)と60の多国籍企業(MNC)によって支えられており、合計33兆ドル(約4,900兆円)の資産と支出力を持つ。CDPは、これらの組織の市場力を活用し、2,100社以上の高排出企業に、最新の科学に沿った1.5℃の排出削減目標を設定するよう働きかけている。
フェデックス、ゼネラル・エレクトリック、ダウ・ケミカル、エスコム、日本製鉄、リオ・ティント、JD.comは、対象となる高排出企業の一部であり、スコープ1と2のCO2e排出量を合計すると8.3ギガトンに達する。これは米国、日本、英国を合わせた年間排出量に相当する。対象企業は合計でMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)の32%を占め、時価総額は約28兆米ドル(約4,200兆円)に達する。
キャンペーンを支援する金融機関の数は、2020年のキャンペーン開始以来2倍以上に増加し、多国籍企業の数は昨年から33%増加した。同キャンペーンの成果では、2020年以降に470社以上をSBTiに参加させるのに役立っており、2022年だけでも99社が参加した。
しかし、現在SBTiに参加している企業は、時価総額で世界経済の34%を占めるに過ぎない。この課題を鑑み、CDPはキャンペーンの第4サイクルにおいて、対象となる影響力の大きい企業の数をほぼ2倍に増やした。
【参照ページ】
(原文)367 financial institutions and multinational companies worth $33 trillion join forces to demand science-based targets in race to 1.5°C
(日本語参考訳)CDP、世界2,100社以上に1.5℃の排出削減目標を設定するよう要請