WBA、企業の公正な移行行動のためのガイドを公表

11月1日、SDGs達成に向けた企業の取組を促進する国際NGOであるWorld Benchmarking Alliance(WBA)は、カーボンニュートラル化に関する公正な移行のための企業向け簡易ペーパーを発行した。

本ペーパーは、UNDP、国際労働機関(ILO)、グランサム・リサーチ・インスティテュート、ワールド・ベンチマーキング・アライアンス(WBA)、包括的資本主義のための協議会(Council for Inclusive Capitalism)による既存の活動をベースにしている。同書は、公正な移行を実施し、進捗状況をモニターする方法について企業への提言を提供し、3つの重要なメッセージを中心に構成されている。

  • 企業、政策立案者、労働者は、公正な移行に向けた能力を構築し、障壁を克服するために、効果的な規制やインセンティブを特定し、実施するために協力すべきである。
  • 公正な移行への配慮は、開示要件にますます組み込まれつつある。公正な移行方針を制定することで、将来、気候や社会的影響により効果的に対処できるようになる。
  • 企業は、準備態勢のレベルを向上させ、時間の経過に伴う変化を予測し計画するために、既存の公正な移行の進捗追跡方法論とツールを利用すべきである。

本ペーパーによると、脱炭素化がもたらす社会的・経済的影響に対処する公正な移行戦略を確実に実施するためには、企業、政策立案者、労働者の緊密な協力が不可欠である。そして、このような協力は、低炭素経済への移行によって影響を受ける労働者、企業、地域社会にとって具体的な利益をもたらすことができると述べた。

【参照ページ】
(原文)Moving from pledges to implementation: a guide for corporate just transition action
(日本語参考訳)WBA、企業の公正な移行行動のためのガイドを公表

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