MSCI、炭素市場アドバイザリーのTrove Researchを買収

MSCIが炭素市場アドバイザリーのTrove Researchを買収

10月10日、投資データ・リサーチプロバイダーのMSCIは、企業の気候変動対策、炭素市場、エネルギー転換に特化したデータ、分析、アドバイザリーの専門企業であるTrove Researchを買収することで合意したと発表した。

本買収は、MSCIが、銀行、取引所、開発業者を含む、急速に発展する炭素市場のエコシステムに参入することを意味する。MSCIは、気候変動ソリューションの拡大という目標をサポートするだけでなく、今回の買収により、企業の移行計画や炭素クレジット価格の見通しに関する洞察を顧客に提供し、炭素クレジットの質に関する透明性を高めることが可能になると述べている。

本買収は、カーボン・オフセット・プロジェクトと関連クレジットに対する需要が今後数年間で大幅に増加すると予想される中で行われた。企業や事業がネット・ゼロの野望を打ち出し、自らの絶対的な排出削減努力への橋渡しとして、あるいは排出回避が困難なバランスをとるために、オフセットに目を向ける傾向が強まっている。しかし、規制がなく急成長しているこの市場は、市場参加者が質の高いプロジェクトと低いプロジェクトを区別できず、プロジェクトの有効性を評価するためのデータが不十分であったり、一貫性がなかったりするなど、一連の課題に直面している。

ロンドンを拠点とするTrove Researchは、持続可能な資産投資に関する知見を提供するために2015年に設立され、2020年以降、企業の気候変動への取り組みと自主的な炭素クレジット市場のあらゆる側面の追跡に特化している。同社は、企業の気候変動への取り組みを理解しようとするアセットオーナーやファンドマネージャー、炭素クレジットの購入を検討している企業、現地でプロジェクトを立ち上げ、炭素クレジットの販売を通じて資金を調達している開発業者や投資家などのユーザーに、データとインテリジェンスを提供している。同社は、3大陸にオフィスを構え、50人以上のスタッフを抱えるまでに成長した。

【参照ページ】
(原文)MSCI to Advance Clarity in Carbon Markets With Acquisition of Trove Research

関連記事

“セミナーへのリンク"

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. 【PR】11/20ESG Journal Cafe 『SSBJ基準対応に向けたギャップ分析と改善アプローチを徹底解剖』

    2024-10-28

    【PR】11/20ESG Journal Cafe 『SSBJ基準対応に向けたギャップ分析と改善アプローチを徹底解剖』

    「ESG Journal Cafe」は、「ESG Journal Japan」が主催する会…
  2. 2024-10-24

    S&Pグローバル、「S&Pグローバル気候センター・オブ・エクセレンス」を発表

    10月10日、S&Pグローバルは、「S&Pグローバル気候センター・オブ・エクセレン…
  3. お役立ちツール「開示基準の早見表」のご紹介

    2024-10-15

    お役立ちツール「開示基準の早見表」のご紹介

    ESG Journalでは、実務に役立つ資料やツールを無料で公開しています。今回は、大好評の「開示…

““登録03へのリンク"

ページ上部へ戻る