9月18日、自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)は、自然関連のリスク管理と情報開示に関する待望の最終勧告を発表した。自然や生物多様性に関連するリスク、機会、依存関係、影響に関する企業や資本提供者のより良い意思決定を支援するとともに、自然にとってプラスとなる結果や世界の生物多様性や生態系保全の目標達成に向けた金融フローの転換に貢献することを目的としている。
TNFDのガイドラインは、今後の持続可能性開示基準の策定に役立てられることが期待されている。IFRS財団の国際サステナビリティ基準委員会(ISSB)は、最近、画期的なサステナビリティと気候変動に関する報告基準を発表したが、TNFDの勧告を今後の基準設定に反映させることをすでに発表している。
今回の発表は、2021年6月のTNFDの結成から始まる2年間のプロセスを経ており、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の成功に基づき、金融サービス、企業、市場サービス・プロバイダーを網羅し、20兆米ドル(約2,960兆円)を超える運用資産を代表する、幅広い分野・セクターのシニア・エグゼクティブを含む40名のメンバーからなるタスクフォースが主導している。
本ガイドラインには、TCFDで利用されているのと同じ4つの文脈の柱の下に整列された14の推奨開示が含まれている。その中には、取締役会の監督と、自然関連の依存関係、影響リスク、機会の評価における経営陣の役割をカバーする開示を含む「ガバナンス」、ビジネスモデル、戦略、財務計画に対するこれらの問題の影響を包含する「戦略」、直接事業やバリューチェーンにおける自然関連問題の特定、評価、優先順位付け、監視に使用されるプロセスを含む「リスクと影響管理」、そして重要な自然関連の依存関係、影響リスク、機会の評価に使用される「指標と目標」が含まれる。
TNFDは、情報開示の勧告に加え、評価と情報開示をサポートするための推奨指標と測定基準、および組織がTNFDの勧告と自然関連課題の特定と評価に着手するのを支援することを目的とした一連の追加ガイダンスも発表した。
【参照ページ】
(原文)Final TNFD Recommendations on nature related issues published and corporates and financial institutions begin adopting
(日本語参考訳)TNFD、自然関連のリスクと機会に関する報告の枠組みを発表