8月3日、米ESG投資推進NGOのCeresと米コンサルティングのブルーリスクは、企業の水投資評価フレームワーク「Development of a Company-Level Cost-Benefit Analysis Framework」を発表した。本フレームワークは、企業がバリューチェーン全体で水投資における価値評価を行うための費用便益分析方法を提示する。現在、一部の企業は水関連リスクを計上しているが、本フレームワークによって、水管理戦略の解決策と潜在的なビジネス・社会的便益のコストを見積もることができる。
本分析では、多くの企業がウォーター・スチュワードシップの価値を十分に認識していない可能性が高いと指摘し、非営利団体CDPが主導した2022年の水の安全保障調査を紹介している。本調査では、参加した3,909社の半数以上が、効率性の向上、競争上の優位性、新市場へのアクセス、弾力的なサプライチェーンなど、水に関連する機会を開示していなかった。ほとんどの企業は、機会が存在することは認めているが、評価されていない、事業に大きな財務的・戦略的影響を与えない、あるいは重要でないと判断したと述べている。
今回、費用便益分析のフレームワークがいかに効果的に使用できるかを示すため、公開されている情報を集め、多国籍アパレル企業に適用した。その結果、得られた主な洞察は以下の通り。
- コスト分担のアプローチにより、バリューチェーンの大部分において、ビジネスおよび社会的な投資対効果が大きくなり、パートナーシップや集団行動への関与の価値が明確になった
- バリューチェーンの中で、介入がビジネスに最大の利益をもたらすセクションは、企業の直接的な事業活動の上流にある
- ウォーター・スチュワードシップへの投資は、バリュー・チェーン全体において、社会的にプラスの投資対効果をもたらす
【参照ページ】
(原文)New analysis introduces framework to help investors and companies understand true value of water stewardship
(日本語訳)Ceres、水投資におけるインパクト評価フレームワークを発表