欧州委員会、洗剤規則の簡素化、明確化、デジタル化を提案
- 2023/5/11
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4月28日、欧州委員会は、洗剤の単一市場のよりよい機能を確保するために、現行の規則を簡素化し、将来性を持たせた洗剤に関する規則の改訂版を提案した。改正された規則は、微生物を含む洗剤のような革新的な新製品や、洗剤の詰め替え販売のような持続可能な新しい慣行をカバーしている。また、新規則では、洗剤と界面活性剤のデジタルラベルと製品パスポートを導入している。
本提案は、欧州グリーンディール、持続可能性のための化学物質戦略、および最近採択されたEUの長期的競争力に関する欧州委員会通信の目標に沿って、既存の規則を更新するものである。
洗剤産業は、欧州の化学産業の重要なサブセクターであり、2018年には化学産業全体の生産額の約4.2%を占めている。2020年の欧州の洗剤産業の総市場価値は、412億ユーロ(約6兆円)である。消費者向けと業務用を含む市場全体向けの製品の製造には、欧州全域で約700の個別の施設が関与している。
洗剤に関する2004年3月31日付欧州議会および理事会規則(EC)No 648/2004(洗剤規則)は、洗剤がEU市場に投入されるために遵守すべき規則を定めている。
2019年、同規則の欧州委員会評価では、いくつかの弱点とさらなる改善すべき領域が指摘された。改善すべき主要な分野の1つは、洗剤規則と他のEU化学物質法、特に化学物質の分類、表示および包装に関する規則(CLP)、生物化学製品規則、REACH規則との重複であった。これらの重複は、洗剤の表示要件の重複につながることが多く、洗剤業界にとって不必要な負担となり、消費者への安全性と使用情報の効果的な伝達が損なわれている。評価では、このような情報伝達のための革新的なデジタルツールの使用は、現状では最適とは言えないと結論付けている。
【参照ページ】
(原文)Commission proposes simplified, clearer and digital rules for detergents in the Single Market
(日本語訳)欧州委員会、単一市場における洗剤の規則の簡素化、明確化、デジタル化を提案