欧州委員会、洗剤規則の簡素化、明確化、デジタル化を提案

欧州委員会、単一市場における洗剤の規則の簡素化、明確化、デジタル化を提案

4月28日、欧州委員会は、洗剤の単一市場のよりよい機能を確保するために、現行の規則を簡素化し、将来性を持たせた洗剤に関する規則の改訂版を提案した。改正された規則は、微生物を含む洗剤のような革新的な新製品や、洗剤の詰め替え販売のような持続可能な新しい慣行をカバーしている。また、新規則では、洗剤と界面活性剤のデジタルラベルと製品パスポートを導入している。

本提案は、欧州グリーンディール、持続可能性のための化学物質戦略、および最近採択されたEUの長期的競争力に関する欧州委員会通信の目標に沿って、既存の規則を更新するものである。

洗剤産業は、欧州の化学産業の重要なサブセクターであり、2018年には化学産業全体の生産額の約4.2%を占めている。2020年の欧州の洗剤産業の総市場価値は、412億ユーロ(約6兆円)である。消費者向けと業務用を含む市場全体向けの製品の製造には、欧州全域で約700の個別の施設が関与している。

洗剤に関する2004年3月31日付欧州議会および理事会規則(EC)No 648/2004(洗剤規則)は、洗剤がEU市場に投入されるために遵守すべき規則を定めている。

2019年、同規則の欧州委員会評価では、いくつかの弱点とさらなる改善すべき領域が指摘された。改善すべき主要な分野の1つは、洗剤規則と他のEU化学物質法、特に化学物質の分類、表示および包装に関する規則(CLP)、生物化学製品規則、REACH規則との重複であった。これらの重複は、洗剤の表示要件の重複につながることが多く、洗剤業界にとって不必要な負担となり、消費者への安全性と使用情報の効果的な伝達が損なわれている。評価では、このような情報伝達のための革新的なデジタルツールの使用は、現状では最適とは言えないと結論付けている。

【参照ページ】
(原文)Commission proposes simplified, clearer and digital rules for detergents in the Single Market
(日本語訳)欧州委員会、単一市場における洗剤の規則の簡素化、明確化、デジタル化を提案

関連記事

“CSAセミナー"

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. ESGフロントライン:潮流を読む~SEC気候開示規則の弁護を放棄ー規制後退の中で問われる企業の姿勢と対応

    2025-3-31

    ESGフロントライン:潮流を読む~SEC気候開示規則の弁護を放棄ー規制後退の中で問われる企業の姿勢と対応

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …
  2. 2025-3-27

    【GPIF発表】「優れた統合報告書」と「改善度の高い統合報告書」選定結果

    3月11日、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、国内株式の運用を委託している運用機関に対…
  3. 2025-3-24

    CDP、ESRS報告基準との対照表を発表

    3月18日、欧州財務報告諮問グループ(EFRAG)と国際的な非営利団体であるCDPは、欧州サステナ…

““登録03へのリンク"

ページ上部へ戻る