bp、クリーンな輸送用燃料を製造するバイオ燃料新興企業WasteFuelに投資

bp、クリーンな輸送用燃料を製造するバイオ燃料新興企業WasteFuelに投資

7月6日、エネルギー大手bpは、バイオ燃料の新興企業WasteFuelへの投資を拡大し、新たに1,000万ドル(約14億円)を拠出することを発表した。また、バイオメタノール生産の収量と経済性の向上に関して同社と協力し、特に海運部門の脱炭素化に注力することでも合意した。

カリフォルニア州を拠点とするWasteFuelは、Trevor NeilsonとAlejandro Estradaによって設立され、都市廃棄物や農業廃棄物をグリーンメタノールなどの低炭素燃料に変換するスケーラブルな技術を利用している。同社のソリューションには、嫌気性消化を利用して埋立地ガスやバイオガスなどの廃棄物源から燃料グレードのメタノールを生産するWasteFuelメタノール・モジュールがあり、商業規模で利用した場合、従来の燃料と比較して最大90%のCO2削減を達成できるとしている。

WasteFuelによると、今回の投資は、ドバイの新施設を皮切りに、低炭素バイオメタノール施設のネットワークを拡大するために使用され、持続可能なバイオメタノールを世界の大手輸送会社に提供することを目的としている。

本提携には、bpがWasteFuelのバイオメタノールを引き取る覚書と、WasteFuelの低炭素バイオメタノール生産の最適化と強化に取り組むための協力(bp独自の技術を使用)も含まれている。

海上輸送は世界貿易の90%を占め、温室効果ガス排出量の3%を占めているため、大手海運会社はバイオメタノール対応船への転換を進めており、バイオメタノールを活用することで、今後数年間で海上輸送の排出量を大幅に削減することができる。例えば、世界的な海運会社であるマースクは最近、低炭素メタノールで航行可能な船舶の発注を相次いで発表した。

国際海事機関(IMO)の海洋環境保護委員会(MEPC)は、海運部門のネット・ゼロ排出量目標を最終決定する見通しで、2050年までにネット・ゼロを達成することを目標としている。

【参照ページ】
bp expands investment in bioenergy, collaborating with US biofuels developer WasteFuel

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…

ピックアップ記事

  1. 2025-9-16

    セブン&アイHD、TCFD・TNFD統合開示を公表 財務インパクトの試算と自然資本分析も深化

    9月8日、セブン&アイ・ホールディングスは、「気候・自然関連情報報告書―TCFD・TNFD統合開示…
  2. ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    2025-9-15

    ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …
  3. 2025-9-12

    ISOとGHGプロトコル、温室効果ガス基準を統合へ 世界共通言語の構築目指す

    9月9日、ISO(国際標準化機構)とGHGプロトコルが、既存のGHG基準を統合し、新たな排出量算定…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る