英国首相リシ・スナック氏、エネルギー安全保障・ネット・ゼロ省を立ち上げ

英国首相リシ・スナック氏、エネルギー安全保障・ネット・ゼロ省を立ち上げ

2月7日、英国政府は、エネルギー安全保障・ネット・ゼロ省を新設し、短期および長期のエネルギー供給の確保と、気候変動に関する公約の達成に向けて英国を軌道に乗せることに焦点を当てると発表した。

今回の発足は、リシ・スナック首相が発表した、現在のビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)を分割した4つの新省庁の一部を構成するものである。その他の新省庁には、科学技術省、ビジネス・貿易省、文化・メディア・スポーツ省が含まれる。

首相府は、本発表を受けた政策文書の中で、新しいエネルギー安全保障・ネット・ゼロ省の主要な重点分野と責務について詳述している。「エネルギー供給の安全性を確保し、市場が適切に機能するようにし、エネルギー効率を高め、ネット・ゼロの機会を捉えて、新しいグリーン産業で世界をリードすることに焦点を当てた献身的なリーダーシップを発揮する」という使命も含まれている。

同省の短期的な目標として、生活費を軽減するためにエネルギー料金を引き下げる必要性に焦点を当てている。その他の優先的な成果には、英国が法的拘束力のあるネット・ゼロ公約を確実に達成すること、ネットワークインフラと国内エネルギー生産の提供を加速すること、家庭、企業、公共部門の建物のエネルギー効率を向上させ、新しいグリーン産業への投資でネットゼロ機会とジョブクリエーションを実現させることが含まれている。

また、BEISが提出したエネルギー法案を可決することも同局の任務であり、これには産業用炭素回収・貯蔵、水素製造、洋上風力発電プロジェクトの承認期間短縮を支援する提案が含まれている。

持続可能な投資を重視する団体は、新部門の設立を称賛する一方で、政府に対してより明確で野心的な気候変動対策計画を求める声を上げた。

同省は、エネルギー安全保障・ネット・ゼロ担当国務長官に任命されたグラント・シャップスが率いることになる。シャップス氏は、直近ではビジネス・エネルギー・産業戦略担当国務長官としてBEISを率いていた。

【参照ページ】
(原文)UK government confirms new Department for Energy Security and Net Zero
(日本語参考訳)英国政府、「エネルギー安全保障・ネットゼロ省」の新設を決定

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…

ピックアップ記事

  1. ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    2025-9-15

    ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …
  2. 2025-9-12

    ISOとGHGプロトコル、温室効果ガス基準を統合へ 世界共通言語の構築目指す

    9月9日、ISO(国際標準化機構)とGHGプロトコルが、既存のGHG基準を統合し、新たな排出量算定…
  3. 2025-9-12

    カリフォルニア州、気候関連財務リスク報告の指針を公表

    9月2日、カリフォルニア大気資源局(CARB)は「気候関連財務リスク開示ドラフト・チェックリスト」…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る