7月4日、スウェーデンの新興企業H2 Green Steelは、世界的な自動車サプライヤーであるZFと、15億ユーロ(約2,340億円)相当のニアゼロエミッション鋼の納入に関する7年間の契約を締結したと発表した。
2020年に設立されたH2 Green Steelは、スウェーデンのボーデンに世界初の化石燃料を使用しない大規模な鉄鋼工場を建設中で、同プロジェクトには鉄鋼生産施設と一体化したギガスケールのグリーン水素プラントが含まれている。
同社は、酸化鉄から酸素を除去するためにグリーン電力で製造された水素を採用し、通常発生するCO2排出の大部分を回避し、製造工程で発生するエネルギー需要には100%再生可能な資源からの電力を使用する。H2 Green Steelは2025年の生産開始を目指しており、2030年までに500万トンのほぼ化石燃料を使用しない鉄鋼を生産する計画である。
今回の合意は、H2 Green Steelが最近発表したメルセデス・ベンツ、スカニア、鉄鋼メーカーBILSTEINなどの企業との取引に続くものである。
両社は新契約で納入される鋼材の量を明らかにしていないが、H2 Green Steelによると、本契約は、ZFが年間処理する直接・間接鋼材約250万トンの「かなりの割合」をカバーし、従来の製鉄プロセスと比較して230万トンのCO2排出量削減につながるという。鋼材の納入は2026年に開始される予定である。
ZFは、2030年までにスコープ1と2の企業二酸化炭素排出量を80%、スコープ3の排出強度を40%削減し、2040年までにすべてのスコープでネット・ゼロを達成するという目標を掲げている。
【参照ページ】
(原文)H2 Green Steel in 1.5 billion Euro agreement with ZF
(日本語参考訳)H2 Green Steel、ZFと約2,340億円の低炭素鋼購入契約を締結