6月19日、フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、航空部門の脱炭素化を目指す技術と低炭素燃料に2030年まで年間3億ユーロ(約465億円)を投資することを表明した。
マクロン大統領は、ヴィラロッシュのサフラン・エアクラフト・エンジン工場で演説し、フランスは持続可能な航空燃料(SAF)を年間50万トン生産する能力を確保していると述べた。
3億ユーロ(約465億円)は、民間航空研究評議会(CORAC)で、低炭素排出の航空機やエンジンの開発など、航空部門の脱炭素化を目指す技術の研究資金として使用される予定だ。
航空業界は、温室効果ガス(GHG)排出の重要な原因として注目されており、世界の排出量の2~3%を占めており、その大部分は燃料使用に由来している。
フランスはまた、電気と水素で動く航空機の開発を支援するために2億ユーロ(約310億円)、SAFの能力開発を加速させるために2億ユーロ(約310億円)を投資する計画を発表した。
SAFの資金は、パートナーであるElyse Energy、IFP Energies nouvelles、Avril、Bionextがフランス南西部のLacq地域に建設する新しいバイオ精製工場、BioTJetの建設を支援するものである。このプロジェクトは、75,000トンのSAFと35,000トンのバイオナフサを含む、年間110,000トンのバイオ燃料を生産する予定だ。
欧州では、持続可能な航空燃料の需要が急増すると予想されており、2050年までにSAFを70%以上混合することを義務付ける法律が制定されつつあるため、今回のSAFへの投資が実現した。
また、今回の投資は、先月、鉄道で2時間半以内で移動できる路線での短距離国内線の運航を禁止する法律が成立するなど、フランスが航空による気候変動への影響を軽減するための取り組みを進めていることを受けたものである。
【参考ページ】
(原文)France’s Macron Commits €300 Million Per Year To Decarbonize Aviation
(日本語訳)仏マクロン大統領、航空機の脱炭素化に向け、年間約465億円を約束