4月12日、米国環境保護庁(EPA)は、現在進行中のクリーンカーへの移行を加速し、気候危機に対処するための新しい連邦自動車排出ガス基準案を発表した。本基準案は、全米の地域社会、特に汚染された空気の負担を強いられてきた地域社会の大気質を改善するものである。これらの提案を合わせると、2022年の米国の総CO2排出量の2倍以上に相当する約100億トンのCO2排出を回避し、これらの新しい基準を満たす車の寿命にわたって数千ドルを節約し、米国の約200億バレルの石油輸入への依存を軽減することができる。
バイデン大統領が就任して以来、EVの販売台数は3倍、利用可能なモデル数は2倍になっている。全米の公共充電器の数は13万基を超え、2020年比で40%増加している。また、バイデン大統領がインフレ抑制法に署名して以来、民間企業は国内のEVおよびバッテリーへの投資に1,200億ドル(約16兆円)以上を投じている。新基準は、バイデン大統領の「アメリカへの投資」アジェンダによって加速されたクリーンな自動車製造への進歩と投資を反映したもので、よりクリーンな自動車への市場の移行が進んでいることを補完している。
2027年以降のモデルイヤー(MY)の小型車、中型車、大型車の新しい排出基準案は、気候変動やその他の有害な大気汚染を大幅に削減し、公衆衛生、特に大気汚染の負担が最も大きい地域社会に大きな利益をもたらすものである。同時に、本基準案は、維持費を削減し、運転手とトラック運転手に大幅な燃料節約をもたらす。
EPA は、2055 年まで、本基準案が約100億トンのCO2排出を回避すると予測している(2022年の米国のCO2排出総量の2倍以上に相当する)。 本基準案は、その他の有害な大気汚染を削減し、早死や、呼吸器系および心血管系疾患による入院などの深刻な健康影響の減少につながると思われる。
汚染と同時に燃料とメンテナンスコストを削減する技術の採用を促進することで、提案された基準は、新しい基準の対象外である車両と比較して、小型車の生涯で平均消費者を12,000ドル(約160万円)節約することができる。また、本提案と合わせて、石油の輸入量を約200億バレル削減することができる。
全体として、EPA は、本基準案の便益が費用を少なくとも 1 兆ドル(約134兆円)上回ると推定している。
【参照ページ】
(原文)Biden-Harris Administration Proposes Strongest-Ever Pollution Standards for Cars and Trucks to Accelerate Transition to a Clean-Transportation Future
(日本語訳)米国環境保護庁、クリーンな輸送に向け、自動車とトラックに対する汚染基準を提案