3月2日、ドイツ銀行は、サステナビリティに関連した大きな成長機会を強調し、ESGビジネスによる収益が年間約14億ユーロ(約2,018億円)に成長し、2022年の8,000億ユーロ(約115億円)の水準を大きく上回るとの試算を発表した。
ドイツ銀行は、「Sustainability Deep Dive 2023」において、2020年から2025年の間に持続可能な融資と投資で合計5000億ユーロ(約72兆円)を可能にするという野心の拡大、融資による排出権コミットメント、排出権集約部門への融資政策の更新など、一連の新しい持続可能な金融目標を発表した。
ドイツ銀行の2025年サステナブルファイナンス目標5,000億ユーロ(約72兆円)は、2022年末までにサステナブルファイナンスと投資で2,000億ユーロ(約28兆円)を達成するという、ドイツ銀行が以前から掲げていた野望に基づくものである。ドイツ銀行は、2020年に発表した当初の目標から3年前倒しで2,000億ユーロ(約28兆円)を達成したものの、2022年の目標を150億ユーロ(約2兆円)上回ったと述べている。
同行は、新たな2025年目標を達成するために、サプライチェーン・ファイナンスを環境・社会的基準と関連付ける施策、ドイツにおけるエネルギー効率の高い建設・改修への追加融資、途上国や新興国におけるESGファイナンスの拡大など、今後推進する一連の取り組みについて説明した。
部門別では、サステナブル・ファイナンスの取扱高の伸び率が最も大きいのはコーポレートバンクで、2023~2025年の取扱高は、前3年間の400億ユーロ(約5.7兆円)から約2倍の700~850億ユーロ(約10~12兆円)になると予想され、投資銀行のサステナブル・ファイナンスの取扱高は、1,250億ユーロ(約18兆円)から1,600億ユーロ(約23兆円)、プライベートバンクは480億ユーロ(約6.9億円)から400~600億ユーロ(約5~8兆円)になると予測される。
また、ドイツ銀行は、排出集約型セクターへの融資活動に関する一連の新しい方針と目標を発表した。これには、新規融資取引を希望する炭素集約型セクターの高排出量顧客の少なくとも90%がネット・ゼロ計画を策定しているという新しい目標や、新規融資を受けるために2025年までに移行計画を策定することを求めるなど火力発電所政策の厳格化も含まれている。ドイツ銀行は、石油・ガス政策も更新する予定であると述べている。
ドイツ銀行は10月、石油・ガス、発電、自動車、鉄鋼など、炭素集約型のいくつかのセクターで融資した排出量を削減する2030年中間目標を発表した。今回のプレゼンテーションで、ドイツ銀行は、2023年に少なくともあと4つのセクターについてネット・ゼロのパスウェイを公表することを目指すと述べた。
また、ドイツ銀行は、持続可能性を高めるための顧客の取り組みを支援し、最終手段としてのみ関係を解消することに重点を置き、ファイナンス・エミッションへの取り組みについても説明した。
【参照ページ】
(原文)Deutsche Bank announces additional measures to reinforce net zero commitment
(日本語参考訳)ドイツ銀行、ESG関連収益が2025年までに約2,000億円超に加速すると予測