1月9日、国連環境計画(UNEP)、世界気象機関(WMO)、EU、米海洋大気庁(NOAA)、米航空宇宙局(NASA)から構成されるパネル、「UN-backed Scientific Assessment Panel to the Montreal Protocol on Ozone Depleting Substances quadrennial assessment report」は、米国気象学会の第103回年次総会において、オゾン層は40年以内に回復する見込みであり、オゾン破壊化学物質の世界的な段階的削減は、すでに気候変動を緩和する取り組みに恩恵をもたらしていると発表した。同パネルは、地球工学のような新しい技術を初めて検証し、オゾン層への予期せぬ影響について警告している。
本パネルは、4年ごとに発行される評価報告書で、禁止されているオゾン層破壊物質の99%近くが段階的に削減されたことを確認している。モントリオール議定書はオゾン層の保護に成功し、成層圏上部のオゾン層が顕著に回復し、人間が太陽から受ける有害な紫外線が減少している。
現在の政策が継続されれば、オゾン層は南極で2066年頃、北極で2045年頃、その他の地域では2040年頃までに、オゾンホールが発生する前の1980年の値まで回復すると予想されている。南極のオゾンホールの大きさの変動、特に2019年から2021年にかけての変動は、気象条件によるところが大きいという。だが、南極のオゾンホールは2000年以降、面積と深さが徐々に改善されている。
今回の評価は、世界気象機関(WMO)、国連環境計画(UNEP)、米国海洋大気庁(NOAA)、米国航空宇宙局(NASA)という大規模な国際グループによってまとめられた広範囲にわたる研究、調査、データに基づいて行われた。
【参照ページ】
(原文)Ozone layer recovery is on track, helping avoid global warming by 0.5°C