Holcim、EUから建材の脱炭素化プロジェクトに約420億円の補助金を獲得

Holcim、EUから建材の脱炭素化プロジェクトに約424億円の補助金を獲得

1月20日、大手建材メーカーのHolcimは、欧州連合(EU)イノベーションファンドを通じて、脱炭素化プロジェクトのために3億2,800万ユーロ(約424億円)を獲得したことを発表した。

EUイノベーションファンドは、革新的な低炭素技術の実証を目的とした世界最大級の資金提供プログラムである。欧州委員会は昨年末、同基金を通じてクリーンテック関連プロジェクトに30億ユーロ(約4,220億円)を追加投資すると発表した。これは、EU排出権取引制度における排出枠のオークションによる収入の増加により、同基金の最初の2ラウンドである18億ユーロ(約2,533億円)と11億ユーロ(約1,459億円)から大幅に拡大されたものである。

建材メーカーは、その主要製品の炭素集約度から、気候変動との戦いにおいてますます注目されるようになってきている。コンクリートの材料であるセメント生産は、世界の二酸化炭素排出量の約8%を占め、材料1000kgを生産するごとに900kg以上の二酸化炭素が排出される。

Holcimによると、今回の資金調達は、ドイツとポーランドにおける炭素回収利用貯留(CCUS)プロジェクト2件の開発を加速させるために使用される予定である。これらのプロジェクトは、同社のネット・ゼロ・ロードマップの一部であり、世界中で50以上のCCUSプロジェクトの計画が含まれている。同社は最近、回収した炭素をセメント生産に活用することを目的としたいくつかの取り組みを発表しており、エネルギー企業のEniとの提携や、炭素排出を骨材に隔離してコンクリートをカーボンニュートラルにする技術を提供するBlue Planet Systemsへの出資も行っている。

【関連記事】
HolcimとEni、捕集した炭素を再利用したグリーンセメント製造における提携を発表
Holcim、集めた炭素から建材を開発するBlue Planet Systemsに出資

【参照ページ】
EU TO FUND HOLCIM DECARBONIZATION PROJECTS

関連記事

おすすめ記事

  1. TCFD×TNFD統合開示ガイド:いま企業が備えるべき実務対応とは?

    2025-8-20

    TCFD×TNFD統合開示ガイド:いま企業が備えるべき実務対応とは?(再掲)

    ※2025年5月28日公開済みの記事を一部更新し再掲している。 企業のサステナビリティ関連の…
  2. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…
  3. TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    2025-7-10

    TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    ※本記事は2024年10月の内容にGX-ETSに関する内容を追記し再掲載している。(2025年7月…

ピックアップ記事

  1. サステナビリティ開示におけるタクソノミ導入と実務対応のポイント

    2025-8-22

    サステナビリティ開示におけるタクソノミ導入と実務対応のポイント

    2025年8月8日、金融庁は、「2027年版EDINETタクソノミの開発案」を公表した。これは、I…
  2. 2025-8-19

    PR【対談&ワークショップ】第一生命が語る「ESG開示」と「企業価値向上」

    毎回満員御礼でご好評をいただいているESG Journal 会員向けのESG Journal …
  3. 2025-8-18

    金融庁、EDINET新タクソノミ案公表 27年版ではサステナ情報開示も検討

    8月8日、金融庁は企業の有価証券報告書などで利用される電子開示システム「EDINET」の基盤となる…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る