日本のスタートアップ Thermalytica、世界大会で優勝。KPMG Global Tech Innovator Competition 2024

11月14日、KPMGジャパンは、リスボンで開催された「KPMG Global Tech Innovator Competition 2024」(毎年開催のスタートアップピッチイベント)において、日本代表の株式会社Thermalytica(茨城県つくば市)が優勝したと発表した。この大会には、各国の予選を勝ち抜いた23社が出場し、Thermalyticaはその革新的な技術と社会的な意義が評価され、見事栄冠を手にした。

なお、2位はエストニアのGelatex Technologies、3位はインドのFluxGen Technologiesが選ばれ、聴講者投票による「People’s Choice Award」はブラジルのProtecting Brains & Saving Futuresが受賞した。

Thermalyticaは、エアロゲルをナノレベルで再設計した断熱材「TIISA®」を開発している。同製品は、液化水素運搬や宇宙分野向けには高性能断熱材を、建材や家電分野には経済性に優れた複合材料を提供することで、幅広い産業の断熱ニーズに対応している。また、超高温環境向けの遮熱コーティング技術「TBC」を保有しており、水素火力発電や宇宙産業といった高度な熱制御技術を必要とする分野でも活用が期待されている。

同社はNIMS(物質・材料研究機構)発のベンチャーであり、JAXAとの共同研究やNEDO、JSTの助成を受けて技術開発を推進している。これまでに国内外の展示会やビジネスコンテストで数々の高評価を得ており、特に地球環境の維持やエネルギー効率の向上に貢献する製品として注目されている。

Thermalyticaは「経済のグリーン化」を掲げ、環境配慮型経営を実践している。同社の革新的な熱管理技術は、エネルギー消費の効率化と環境負荷の低減を両立させるものであり、持続可能な社会の実現に向けた重要なソリューションを提供している。これからも、次世代のエネルギー問題解決に向けた取り組みを続ける方針である。

【参照ページ】
(原文)「KPMG Global Tech Innovator Competition 2024」 世界大会 日本代表のサーマリティカが優勝

関連記事

“ランキングのリンク"

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. ESRS開示の実態調査(2024年上半期)から見えた企業が抱える共通課題とは

    2025-4-1

    ESRS開示の実態調査(2024年上半期)から見えた企業が抱える共通課題とは

    CSRD(企業サステナビリティ報告指令)のオムニバス草案が提出され、欧州の開示規則が変わる中、20…
  2. ESGフロントライン:潮流を読む~SEC気候開示規則の弁護を放棄ー規制後退の中で問われる企業の姿勢と対応

    2025-3-31

    ESGフロントライン:潮流を読む~SEC気候開示規則の弁護を放棄ー規制後退の中で問われる企業の姿勢と対応

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …
  3. 2025-3-27

    【GPIF発表】「優れた統合報告書」と「改善度の高い統合報告書」選定結果

    3月11日、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、国内株式の運用を委託している運用機関に対…

““登録02へのリンク"

ページ上部へ戻る