BeZero Carbon、炭素クレジット格付けプラットフォーム拡大のため約70億円超を調達

 

11月14日、ロンドンに拠点を置く炭素クレジット格付けの新興企業である BeZero Carbonは、シリーズ B 資金調達ラウンドで5000万ドル(約70.2億円)を調達したと発表した。本資金は環境市場の透明性を提供する取り組みの拡大を目的としている。

本資金調達は、英国における今年最大の資金調達となり、 BeZero Carbonの過去1年間の調達額は7000万ドル(約98.3兆円)超となる。

本取引は、温室効果ガスの放出を相殺するカーボン・オフセット・プロジェクトおよび関連クレジットに対する需要が、今後数年間で大幅に増加すると予想されることを受けたものだ。企業や事業者がネット・ゼロの野心を打ち出し、自らの絶対的な排出量削減努力への橋渡しとして、あるいは排出回避が難しいバランスのためにオフセットに目を向けるケースが増えてきている。

しかし、炭素クレジットの市場は、流動性の欠如、プロジェクトの有効性を評価するためのデータの不足または一貫性の欠如などの問題を抱えている。

2020年に設立されたBeZeroは、炭素市場の格付け機関として、気候科学者、地球観測専門家、データ科学者、金融アナリストのチームに支えられ、炭素格付け、調査、データ製品を提供している。

同社によると、本資金調達は、格付け、リスク、分析ツールの開発を通じて環境市場のイノベーションを推進し、BeZeroが他のエコシステム市場向けのリスクベースの商品づくりに投資できるようにし、ニューヨークとシンガポールにオフィスを開設するために使われる予定である。また、独自の自動化ツールキットの拡大、地球観測能力の深化、人材への投資も目指している。

本資金調達は、米国の投資会社Quantum Energy Partnersが主導し、戦略的投資家のEDFグループ日立ベンチャーズ、Intercontinental Exchange(ICE)のほか、既存投資家のMolten Ventures, Norrsken VC, Illuminate Financial, Qima and Contrarian Venturesが参加している。

【参照ページ】
BeZero Carbon raises $50m to accelerate the Net Zero transition through carbon ratings

関連記事

“イベントへのリンク"

おすすめ記事

  1. 2024-4-9

    SBTN(Science-Based Targets for Nature)とは。企業のネイチャーポジティブ経営を実現する目標設定の方法論を解説。

    TNFDのフレームワークが公開され、先進企業ではフレームワークに基づく情報開示が進みつつある(20…
  2. 2024-4-2

    【さくっと読める】TNFDの開示とは。重要ポイントを抽出。

    2023年9月、TNFDのフレームワークが完成し公開された。2023年時点でTNFDに基づく開示を…
  3. 2024-3-26

    【さくっと読める】ESGスコアとは。基本的知識を解説。

    今月から、サスティナビリティ情報開示で関心の高いテーマについて、さくっと読める解説コラムを発行して…

ピックアップ記事

  1. 2024-4-18

    オーストラリア裁判所、グリーンウォッシュ訴訟でバンガードに有罪判決

    3月28日、オーストラリアの連邦裁判所は、バンガード・インベストメンツ・オーストラリアが、同社のE…
  2. 上場企業の40%以上がスコープ3排出量の報告を開始

    2024-4-15

    上場企業の40%以上がスコープ3排出量の報告を開始

    4月に発表した、投資データ・リサーチプロバイダーであるMSCIの新しいレポートによると、世界の上場…
  3. SBTi、ネット・ゼロ目標における炭素クレジットの役割拡大を認める

    2024-4-15

    SBTi、ネット・ゼロ目標における炭素クレジットの役割拡大を認める

    4月9日、科学的根拠に基づく目標設定イニシアティブ(SBTi)は、企業の環境持続可能な行動を気候変…

アーカイブ

ページ上部へ戻る