H&M、サプライチェーンの排出量削減に年間約400億円近くを投じることを決定
11月14日、ファッション・デザインブランド企業のH&Mグループは、サプライヤーによるクリーンエネルギーへの転換やエネルギー効率の向上を支援するなど、バリューチェーンの脱炭素化を目指した一連の資金調達イニシアティブを発表した。
同社は、バリューチェーン全体で排出量を削減するプロジェクトのために、約30億クローネ(約401億円)の年間予算の実施を発表した。投資対象分野には、石炭の段階的な廃止や、持続可能な素材の割合の増加などが含まれる予定だ。
H&Mは、2040年までにネット・ゼロ・エミッションを達成するという目標を掲げており、最近、2030年までにScope1、2、3の絶対排出量を56%削減するという中間目標を設定した。
多くのファッション小売企業と同様、Scope 3のバリューチェーン排出、つまり企業が直接管理できない範囲の排出が、同社の排出量フットプリントの大部分を占めている。H&Mの2021年版サステナビリティレポートによると、スコープ3は同社の排出量の99%近くを占めている。このうち、60%以上が生地生産、衣料品製造、原材料、輸送を含むサプライチェーン分野に由来する。
同社は、二酸化炭素排出量に対処し、バリューチェーンの取り組みを削減するために進めているいくつかの取り組みを強調した。例えば、グリーン・ファッション・イニシアティブや、2億5000万ドルのファッション・クライメート・ファンドの主幹事としての最近の参加、コンサルティング会社ガイドハウスによるサプライヤーへの脱炭素関連の資金調達を促進するための持続可能なサプライヤー・ファシリティの開始、購買、デザイン、商品化、生産、物流における行動の変化を促すための社内カーボンプライスの導入など、クリーンエネルギーの使用、エネルギー効率、持続可能な素材の強化を目指すファッション・サプライチェーン・イニシアティブを支援することが挙げられる。
また、H&Mは、ダイレクト・エア・キャプチャーのプロバイダーであるClimeworksと、1万トンのCO2を除去するための複数年の炭素除去契約を締結している。
【参照ページ】
(原文)H&M Group further invests in the decarbonisation of its value chain
(日本語訳)H&Mグループ、バリューチェーンの脱炭素化に向けた投資をさらに強化