英航空、廃食油SAFでCO2削減へ 香港企業と複数年契約

6月30日、英国のフラッグシップキャリア、ブリティッシュ・エアウェイズは30日、香港を拠点とする再生可能燃料メーカー、エコセレス社と持続可能な航空燃料(SAF)を複数年にわたり調達する契約を締結したと発表した。廃食油などを原料とするSAFの導入により、二酸化炭素(CO2)の排出削減を加速させる。

本契約により、従来のジェット燃料を同量使用した場合と比較して、ライフサイクル全体で約40万トンのCO2排出量削減が見込まれる。これは、ロンドン―ニューヨーク間のエコノミークラス往復フライト約24万席分の総排出量に相当するという。

ブリティッシュ・エアウェイズは、2030年までに全フライトの10%でSAFを使用する目標を掲げている。エコセレスが供給するSAFは、廃食油などの廃棄物バイオマスを100%原料としており、従来の燃料に比べ最大80%のライフサイクルCO2排出量削減が可能とされる。

エコセレス社のマッティ・リエボネンCEOは「航空業界の環境目標達成を支援できることを誇りに思う」とコメントした。またブリティッシュ・エアウェイズのキャリー・ハリス持続可能性担当ディレクターは「2050年までのネットゼロ排出達成に向けた重要な一歩だ」と述べた。

SAFは、既存の航空機や給油インフラをそのまま利用できる「ドロップイン燃料」として、航空業界の脱炭素化に向けた最も即効性のある解決策と見なされている。一方で、世界的な供給量の少なさが普及の課題となっている。

(原文)EcoCeres Secures Sustainable Aviation Fuel Contract with British Airways to Help Reduce Carbon Emissions

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