10月11日、投資大手のBlackRockは、「Energy investing」と題する新しいウェブサイトを開設した。これは、BlackRockがESGを重視した社会的課題を追求するために石油・ガス会社を「ボイコット」していると非難する声が高まっていることに対応するためのものである。
新サイトの公開は、米国の共和党政治家による反ESGの動きが活発化していることを受けたものである。また、テキサス州では、BlackRock、Credit Suisse、UBSなど、ESGを重視し、ネット・ゼロ投資を支持するファンドマネージャーを年金基金から売却するリストを発表し、ルイジアナ州では、同州の財務省資金をESGから「守る」ためにブラックロックのファンドから約8億ドル(約1,168億円)を売却することを発表している。
BlackRockは、世界最大の投資運用会社であり、気候変動やエネルギー転換に関するテーマで投資界をリードする存在として、多くの取り組みの中心にいることがわかる。8月には、19人の検事総長が、ブラックロックが反化石燃料とネット・ゼロのアジェンダを追求する中で、財務的リターンの重視とは一致しない「社会的目的」に従って行動しているとして、「複雑な動機」を持っていると非難する書簡に署名している。
BlackRockの新サイトに掲載された説明の多くは、弁護士団の主張に対するBlackRockの公式回答を反映しており、渉外部長のDalia Blassによる書簡では、当社について提起された「誤解」と、ESGイニシアティブに参加する投資家の動機に関連する書簡の中で「いくつかの不正確な記述」と呼ばれるものに対して反撃が行われている。
本サイトは、反ESGの政治家の主張をいくつか取り上げており、最も目立つのは、”We DO NOT boycott the energy industry “と記載し、同社が顧客に代わって、パイプラインや発電施設を含む米国のエネルギー企業に1700億ドル(約24兆円)を投資していることを指摘していることである。
また、BlackRockが気候変動リスクとエネルギーを重視するのは、顧客の投資に影響を与える世界経済の動向に関する洞察を提供し、顧客の財務的成果を促進する取り組みの一環であると説明している。
加えて、Net Zero Asset Managers initiativeやGFZANZなどの業界団体に参加していることが、企業にパリ協定との整合性や特定の気候変動対策を求める委任状投票活動を推進しているという主張に対しても、本サイトを利用して反論している。