10月3日、気候変動に関する金融リスクを検討するための中央銀行・金融当局ネットワーク「気候変動リスク等に係る金融当局ネットワーク(Network for Greening the Financial System:NGFS)」は、注目すべき短期シナリオの範囲に関する考え方と、NGFSが実施する分析作業のロードマップについて、「短期気候シナリオに関するコンセプトノート」を発表した。
短期シナリオは、3年から5年の期間をカバーすることで、長期シナリオの限界を克服するもの。これまでNGFSは、長期シナリオに焦点を当てていたが、2023年2月に開始された一般からのフィードバック調査において、短期シナリオ作成が優先事項として位置づけられた。
本コンセプトノートでは、「Highway to Paris」「Green bubble」「Sudden wake-up call」「Low Policy Ambition and Disasters」「Diverging realities」からなる5つの異なる気候シナリオを提案している。5つのシナリオは重大な移行リスクを示しており、地球温暖化を効果的に緩和する長期シナリオと矛盾しないように設計されている。最後のシナリオは、政策野心の国際的な乖離による重大な移行リスクと物理的リスクの両方を考慮したもの。
【参照ページ】
(原文)NGFS publishes a conceptual note on short-term climate scenarios
(日本語参考訳)NGFS、短期気候シナリオに関するコンセプトノートを発表