SUEZとPyrum、革新的な熱分解技術に基づくタイヤ・リサイクル・プラントの建設で提携

7月7日、SUEZリサイクル・アンド・リカバリーUKは、Pyrum Innovations AGと1年間の独占契約を締結し、使用済みタイヤをリサイクルするPyrumの特許取得済み熱分解技術を使用した英国初のプラントを建設すると発表した。

本合意により、今後12ヶ月間にわたり、SUEZは最初のプラントの建設地を決定し、Pyrumの支援を受けながら承認手続きを開始する予定である。計画中のプラントは、3基の熱分解リアクターで構成され、年間約20,000トンの使用済みタイヤをリサイクルする予定である。

ピュラムの特許取得済み熱分解リアクター技術により、タイヤから高品質の原料が回収され、その過程で排出されるCO2は、現在のリサイクル方法と比較して最大72%削減される。

現在、英国では約5,000万本(480キロリットル)のタイヤが廃棄されており、そのうち1,340万本が代替燃料として使用され、残りのタイヤはシュレッダーで粉砕され、スポーツピッチや運動場で使用されるクラムと呼ばれる新素材に加工される。

熱分解の過程で、タイヤは原料であるオイル、カーボンブラック、熱分解ガスに分離される。カーボンブラックは新しいタイヤの製造に再利用され、オイルはBASFによって回収され、新しい製品にリサイクルされ、熱分解ガスは工場の電力として使用される。

SUEZとの提携により、ドイツに本社を置くPyrum Innovationsは、ヨーロッパ全土で熱分解プラントを開発するための広範で有望なパイプラインを拡大することになる。

Pyrumとの提携により、SUEZは使用済みタイヤの半分以上がリサイクルされていない英国のリサイクル市場に参入した。

SUEZは、顧客の廃棄物に対して弾力的で革新的なソリューションを提供してきた実績と、設計から運営に至るまで新たなインフラを提供するための豊富な専門知識と経験を活かして、本プロジェクトに取り組む。SUEZでは、水事業における熱分解技術の革新に取り組んでおり、下水汚泥の熱分解による炭素回収のメリットを評価する研究プログラムを主導している。

【参照ページ】
(原文)SUEZ and Pyrum join forces to build a sustainable tyre recycling plant based on an innovative pyrolysis technology
(日本語訳)SUEZとPyrumが協力し、革新的な熱分解技術に基づく持続可能なタイヤリサイクル工場を建設

関連記事

“セミナーへのリンク"

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. コーポレートガバナンスの重要性と課題:国内での透明な開示対応

    2024-10-16

    コーポレートガバナンスの重要性と課題:国内での透明な開示対応

    コーポレートガバナンスとは、企業が持続可能な成長を遂げるための管理体制や仕組みを指す。透明で公正な…
  2. お役立ちツール「開示基準の早見表」のご紹介

    2024-10-15

    お役立ちツール「開示基準の早見表」のご紹介

    ESG Journalでは、実務に役立つ資料やツールを無料で公開しています。今回は、大好評の「開示…
  3. 環境省

    2024-10-15

    環境省、「プラスチック資源循環におけるマスバランス方式の基本的考え方」を発表

    9月26日、環境省は「プラスチック資源循環におけるマスバランス方式の活用に関する基本的な考え方」を…

““登録02へのリンク"

ページ上部へ戻る