コンサル会社Capgemini、バリューチェーン全体で90%の排出量削減目標を発表

コンサル会社Capgemini、バリューチェーン全体で90%の排出量削減を目標に掲げる

9月16日、グローバルなコンサルティング企業であるCapgeminiは、2040年までにバリューチェーン全体の排出量を90%削減するという目標を含む、一連の排出量削減目標を発表した。同社は、同目標の新しい短期・長期目標が、Science Based Targets initiatives(SBTi)の新しいネット・ゼロ基準によって検証されたことを明らかにし、マイルストーンを達成する最初の企業のひとつとなった。

Capgeminiの新しい気候目標には、直接および購入エネルギーであるScope 1と2、そして間接的なバリューチェーンであるScope 3の排出量を2040年までに90%削減するという目標が含まれている。

Scope 3の排出量は、多くの企業のカーボンフットプリントの大部分を占めており、対策は最も困難なものとなっている。例えば、 Capgeminiの出張に基づく排出量は、2019年(COVID-19前)カーボンフットプリントの57%以上を占め、そのうち29%は出張、28%は通勤によるものだった。

同社の新たな目標には、通勤・出張による従業員1人当たりの排出量を2019年比で55%削減する2030年目標や、サプライチェーンのScope 3排出量の絶対量を50%削減する目標が含まれている。また、2030年までにScope 1および2の排出量を80%削減することを目指している。

Capgeminiは、気候目標を達成するために進めているいくつかの取り組みについて、サプライチェーン排出量の約50%を占めるトップサプライヤーとの関わりや、2025年までに再生可能エネルギー100%の電力に移行することなどを概説している。

SBTiは、気候変動への対処と抑制という世界的な目標と、企業の環境維持活動の整合性に焦点を当てた重要な組織の一つである。昨年、SBTiはネットゼロ基準を立ち上げ、ネット・ゼロ排出を達成するための企業のコミットメントを評価・認証する厳格な基準を設定した。Capgeminiは、この新基準の設計にコンサルティングを提供した。

Capgeminiは、自社の排出量だけでなく、2030年までに顧客が少なくとも1,000万トンのCO2eを削減できるよう支援する。また、サステナビリティNPO「Forum for the Future」と共同で新しいレポートを発表し、専門サービス機関が顧客のために提供するサステナビリティ変革プロジェクトの炭素影響を測定するための、 Capgeminiの方法論を検討すると発表している。

【参照ページ】
(原文)CAPGEMINI AMONGST THE FIRST COMPANIES GLOBALLY TO HAVE ITS NET ZERO TARGETS VALIDATED ACCORDING TO THE SBTI’S NEW NET-ZERO STANDARD
(日本語訳)コンサル会社Capgemini、バリューチェーン全体で90%の排出量削減を目標に掲げる

関連記事

おすすめ記事

  1. TCFD×TNFD統合開示ガイド:いま企業が備えるべき実務対応とは?

    2025-8-20

    TCFD×TNFD統合開示ガイド:いま企業が備えるべき実務対応とは?(再掲)

    ※2025年5月28日公開済みの記事を一部更新し再掲している。 企業のサステナビリティ関連の…
  2. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…
  3. TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    2025-7-10

    TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    ※本記事は2024年10月の内容にGX-ETSに関する内容を追記し再掲載している。(2025年7月…

ピックアップ記事

  1. サステナビリティ開示におけるタクソノミ導入と実務対応のポイント

    2025-8-22

    サステナビリティ開示におけるタクソノミ導入と実務対応のポイント

    2025年8月8日、金融庁は、「2027年版EDINETタクソノミの開発案」を公表した。これは、I…
  2. 2025-8-19

    PR【対談&ワークショップ】第一生命が語る「ESG開示」と「企業価値向上」

    毎回満員御礼でご好評をいただいているESG Journal 会員向けのESG Journal …
  3. 2025-8-18

    金融庁、EDINET新タクソノミ案公表 27年版ではサステナ情報開示も検討

    8月8日、金融庁は企業の有価証券報告書などで利用される電子開示システム「EDINET」の基盤となる…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る