7月19日、英国政府は「ジェット・ゼロ」戦略を発表し、2050年までに航空業界をネット・ゼロにする計画の概要を明らかにした。ファーンボロ航空ショーで発表された本計画には、2040年までに国内の航空業界をネット・ゼロにすること、国内の空港をゼロエミッションにすることが盛り込まれている。
新戦略は、2050年までに航空機からの排出量を60%以上削減することを目標としており、2019年を航空機からの排出量のピークと想定している。
新しいコミットメントは、2050年までに経済全体のネット・ゼロを達成するために2021年10月に発表された英国の計画「ネット・ゼロ戦略」と、道路、鉄道、航空部門全体でネット・ゼロ排出を達成するためのロードマップとして昨年打ち出された「交通機関脱炭素化計画」と整合している。
英国経済に220億ポンド(約3.6兆円)貢献している航空セクターの脱炭素化は、これらの計画における主要課題の一つである。航空業界は世界の排出量の2~3%を担っており、この数字は対策を講じなければ今後数十年で劇的に上昇する可能性がある。航空機産業が気候に与える影響に対処するための取り組みとして、航空機の効率向上、持続可能な航空燃料の開発、電気や水素ベースなど低炭素またはゼロ炭素の推進システムを利用した航空機の開発などが一般的に行われている。
英国の戦略では、航空機、空港、空域の効率改善、持続可能な航空燃料(SAF)の需要と供給の加速、ゼロエミッション航空機の開発支援、炭素市場や残留排出物の相殺に役立つ排出物除去技術の開発など、これらの取り組みを支える一連の優先分野を特定している。
【参照ページ】
(原文)Jet Zero strategy: our approach for achieving net zero aviation by 2050
(日本語訳)ジェット・ゼロ戦略:2050年までに航空業界におけるネット・ゼロを達成するための私たちのアプローチ