ExxonMobil、CNOOC、Shell、中国におけるCCSプロジェクト実行可能性評価で広東省発展改革委員会と協働

6月28日、ExxonMobil、Shell、中国海洋石油総公司(CNOOC)、および地元当局は、中国広東省における世界規模の炭素回収・貯留(CCS)プロジェクトの可能性を評価することに合意した。

ExxonMobil、Shell、CNOOC、広東省発展改革委員会は、恵州市のダヤワン石油化学工業団地における温室効果ガス排出削減のためのCCSハブプロジェクトを検討する覚書に調印した。本合意により、CCSの機会を特定するための共同研究が開始される。また、両社は中国の炭素政策制度を評価し、ダヤワン石油化学工業団地でのCCSの展開を支援するための政策を検討するよう提案する予定だ。

プロジェクトの初期評価では、ダヤワンの産業部門から年間最大1000万トンのCO2を回収する可能性があり、2060年までに中国のカーボンニュートラルという野望をサポートすることが期待されている。

また、本プロジェクトは、脱炭素化を目指す最初の石油化学プロジェクトの一つとして、化学産業のモデルにもなり得る。

再生可能エネルギー技術はネット・ゼロを達成するために重要だが、CCSは実績のある一貫した技術であり、最も排出量の多い部門の排出量を減らすことを可能にする。官民が協力してCCSを活用し、産業界の排出量を削減することは、大きな可能性を秘めている。

ExxonMobilは、バイオ燃料と水素への戦略的投資も進めており、世界経済の中で脱炭素化が困難なセクターに対して、これらの低排出エネルギー技術を提供するための規模を拡大している。ExxonMobilは、世界のCCS生産能力(年間約900万トン)の約5分の1に相当する株式を保有している。

【参照ページ】
(原文)ExxonMobil, CNOOC and Shell to pursue carbon capture and storage hub in China
(日本語訳)エクソンモービル、中国海洋石油総公司、シェルが中国での炭素回収・貯留ハブを推進

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…

ピックアップ記事

  1. 2025-9-16

    セブン&アイHD、TCFD・TNFD統合開示を公表 財務インパクトの試算と自然資本分析も深化

    9月8日、セブン&アイ・ホールディングスは、「気候・自然関連情報報告書―TCFD・TNFD統合開示…
  2. ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    2025-9-15

    ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …
  3. 2025-9-12

    ISOとGHGプロトコル、温室効果ガス基準を統合へ 世界共通言語の構築目指す

    9月9日、ISO(国際標準化機構)とGHGプロトコルが、既存のGHG基準を統合し、新たな排出量算定…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る