6月15日、銀行業界の主要な世界基準および政策立案機関であるバーゼル銀行監督委員会は、発表した新原則の中で、銀行は長期的な気候変動リスクを補償政策に取り入れることを検討すべきであると述べた。
バーゼル委員会は、「気候関連金融リスクの効果的な管理・監督のための原則」として、銀行と規制当局が世界の銀行システムにおける物理的・移行的な気候リスクに対処するための一連のガイドラインを発表した。今回の公表は、2020年4月に開始された、気候関連金融リスクに関する既存の規制・監督上のイニシアティブを評価し、気候変動のリスクの特徴や銀行および銀行システムへの潜在的影響を分析するなどのプロセスを経たものである。
本ガイドラインは、委員会が提案したコーポレートガバナンス原則の一部を構成しており、銀行が「事業戦略を策定・実施する際に、重要な物理的・移行的リスク要因を考慮する」よう指導し、これらのリスクがビジネスモデルや経済構造変化に対する銀行のエクスポージャーに与える短期的・長期的影響の評価を含めている。
本書では、気候関連リスクに対する取締役会メンバーや委員会への責任の明確化、気候関連財務リスクを銀行の内部統制フレームワークや資本・流動性の妥当性評価、モニタリング、報告システムに組み込むこと、気候関連経路に対するビジネスモデルの耐性を評価するためのシナリオ分析の実施など、全18原則を概説している。このうち6つの原則は、規制・監督当局が銀行の気候関連リスク管理方針と実務を監督する際に適用されるものである。
【参照ページ】
(原文)Principles for the effective management and supervision of climate-related financial risks
(日本語訳)世界銀行監督当局、気候変動リスク管理への報酬の連動を検討するよう銀行に指示