6月16日、世界的な消費者ブランド企業であるUnilever(ユニリーバ)と持続可能な素材企業であるGenomatica(ジェノマティカ)は、1億2千万ドル(約161億円)の共同出資により、パーム油と化石燃料由来の洗浄成分に対する持続可能な代替品の規模拡大と商業化を目指すベンチャー企業を立ち上げることを発表した。
化石燃料とパーム油は、大手消費財メーカーが洗浄剤、石鹸、洗剤の生産に使用する主要原料であり、各社が持続可能性の向上に取り組む上で大きな課題となっている。ほとんどの洗浄剤や洗濯剤には、化石燃料を原料とする化学物質が含まれており、通常、製品のカーボンフットプリントの約半分を占めている。石鹸や洗剤を作るために精製されるパーム油は、森林破壊や労働者の権利といった問題を含め、企業にとってサプライチェーンの持続可能性に関する大きな課題となっている。
ユニリーバは、自社製品のサステナビリティ・プロファイルを向上させるためのいくつかの取り組みを進めており、2039年までにすべての製品でネットゼロエミッションを達成することを公約に掲げている。2020年には、2030年までにクリーニングとランドリー製品から化石燃料を排除することを発表し、昨年には、クリーニングとランドリー製品のサステナビリティを変革するための生物学的ソリューションを探求するため、タンパク質設計会社Arzedaとのパートナーシップを開始した。
サンディエゴに拠点を置くバイオテクノロジー企業ジェノマティカは、植物や廃棄物を原料とする持続可能な素材を開発しており、植物由来の成分をナイロンの製造に使用されるものと同様の化学的構成要素に変換している。
新会社は、泡立ちがよく、汚れを落とすことのできる植物由来の代替原料を開発する予定だ。ジェノマティカによると、パームや化石資源に代わる代替原料で、大規模に生産できるものは数少なく、このベンチャーは、ホームケアとパーソナルケアの合計で6,250億ドルの市場に参入する機会を提供する。
【参照ページ】
(原文)Unilever and Geno launch $120m venture to scale alternative ingredients
(日本語訳)Unilever、Genomatica、持続可能なパーム油と化石燃料の代替品開発に1億2千万ドルを投資