6月6日、ゼロ・カーボン材料企業のPrometheus Materialsは、シリーズA資金調達ラウンドで800万ドル(約10億円)を調達したと発表した。本資金は、建築家、エンジニア、不動産、施設開発業者へのマーケティングのためのゼロ・カーボン建築製品の商業生産に使用する。
Prometheusは、コロラド大学ボルダー校の科学者とエンジニアによって2021年に設立された。同社は、微細藻類を使用した「バイオセメント」を骨材に混合し、ポルトランドセメント系コンクリートと同等以上の特性を持つゼロ・カーボン建材を製造している。
同社によると、新材料は、毎年40億トンのポルトランドセメントの生産と輸送に関わる炭素集約的なプロセスを回避できる。また、本製品は生産工程で炭素を隔離する。従来のポルトランドセメントをベースとした商品と比較すると、本ソリューションによって体積炭素を約90%削減できるという。
今回の資金調達で得た資金は、コロラド州ロングモントにある同社の施設で、ゼロ・カーボン組積ユニットを製造するために使用する。今後2年間は、従来のポルトランドセメント系プレキャスト屋根瓦や壁パネルなどに代わるプレキャストバイオコンポジット部材や、従来のセメント系生コンに代わる生コンなど、他の建築製品の生産にも資金を使う予定である。