UNEP FI、銀行・保険会社・投資家向けに海洋汚染に関するガイダンスを発表

UNEP FI、海洋汚染に関するガイダンスを発表

3月3日、UNEP FI(国連環境計画金融イニシアチブ)は、銀行・保険会社・投資家向けに、海洋汚染を考慮した健全な意思決定を行い、海洋の持続可能性を加速させるための科学的根拠に基づくガイダンスを発表した。

エコノミスト世界海洋サミットで発表されたこのガイダンスは、プラスチックを含む固形廃棄物汚染と沿岸インフラプロジェクトに焦点を当てたものとなっており、明確に持続可能な実践を企業に求めた。ガイダンス内では持続可能な移行計画がない企業との金融取引を避け、持続可能な証拠がある海洋関連分野(例えば、製品の再利用・修理・使用後のリサイクルを目的とした設計など)での機会を模索するための、推奨事項を示している。

金融機関に対しては、製品の全ライフサイクルにおいて廃棄物の終息オプションや製品の耐用年数が考慮されていないケースや、パリ協定の移行計画に合致しない材料調達方針の証拠がある海洋関連分野のプロジェクトを含む様々なシナリオへの資金提供を避けるべきと明記している。

また、気候変動による海面上昇の影響を緩和するために、防潮堤や堤防などの沿岸インフラの必要性が高まっている中で、金融機関はこのガイダンスを利用することで洪水防止壁や防潮扉などの開発・建設・運用・保守を行う際に、不動産開発業者にプラスの影響を与えることができるとしている。

【参照ページ】
(原文)DIVING DEEP: NEW GUIDANCE ON FINANCE, OCEAN POLLUTION, PLASTICS AND COASTAL RESILIENCE
(日本語訳)ダイビング・ディープ:金融、海洋汚染、プラスチック、沿岸の回復力に関する新しいガイダンス

関連記事

おすすめ記事

  1. 【最新】TISFDとは?概要・指標から国内外基準との関連まで徹底解説

    2025-9-11

    【最新】TISFDとは?概要・指標から国内外基準との関連まで徹底解説

    気候変動や自然資本など、環境領域に関する開示が進みつつある中、次なるテーマは「社会」の領域。TIS…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…

ピックアップ記事

  1. 2025-11-6

    CDPとTNFD、2025年質問票の対応マッピングを公開

    10月22日、CDPとTNFDは、CDP 2025年版企業質問票とTNFD開示推奨項目・指標との対…
  2. 2025-11-6

    ISSB、国際的なサステナビリティ開示の「グローバル・パスポート」構想を発表

    10月30日、ISSB(国際サステナビリティ基準審議会)は、ロンドンで開催された「IFRSサステナ…
  3. TNFD・自然移行計画の5つの構成要素と先行事例/実践例の紹介

    2025-11-5

    TNFD・自然移行計画の5つの構成要素と先行事例/実践例の紹介

    ※2025年11月4日公開済みの記事にTNFDが発行した「Nature in transition…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る