Walmart、サプライヤーのCO2排出削減の厳格化とファイナンスプログラムを発表
12月8日、Walmartは、サプライヤー基準を高めるため、1.5°C目標に整合した科学的根拠に基づく削減目標の設定を求めるサプライチェーンファイナンスプログラムを創設したと発表した。
本プログラムは、HSBC および CDP と共に、Walmartのプライベートブランド・サプライヤーに対し、支援を強化しすることで、事業とサステナビリティ目標とを一致させることを目的としている。
Walmartは、2030年までにサプライチェーン上での二酸化炭素排出量10億t削減目標のもと、同社プライベートブランド(PB)商品生産で協働する中小企業サプライヤーに対し、Walmartのサステナビリティ目標に整合した高い基準、ツールの導入、キャパシティビルディングの支援を行う「Project Gigaton」を2017年に発足した。
2017年以降、3,100社以上のサプライヤーがProject Gigatonに正式に署名し、サプライヤーは2020年に回避されるCO2を1億8600万メートルトン(MMT)以上、累積で416MMT以上と報告している。しかし、HSBCとボストン・コンサルティング・グループ(BCG)の最近の調査では、中小企業は気候変動に関する専門知識を社内に持たず、気候変動の推進と資金調達のための資本へのアクセスも限られていることが浮き彫りとなった。本調査では、大企業は新しい基準を補完するために、共同投資やサプライチェーンファイナンスによる流動性の提供、移行に関する知識やリソースの共有、イノベーションや技術の普及に努めるべきことが明らかになった。
Walmartは今回、Project Gigatonに参加するサプライヤーに対して科学的根拠に基づく目標を設定し、その目標をSBTi(Science Based Targets Initiative)によって検証を受けるか、CDP気候変動報告書で一定のスコア閾値を達成するかの選択を要請している。
対象となるサプライヤーは、Walmartが承認した請求書の早期支払いをHSBCに依頼することができ、融資の価格はサプライヤーのCDPスコア、設定した目標、報告された影響に連動している。最も高い目標を設定したサプライヤーは、最も低い価格設定を受けることが可能になる。
【参照ページ】
(原文)Walmart Creates Industry First by Introducing Science-Based Targets for Supply Chain Finance Program
(日本語訳)Walmart、サプライヤー基準向上に向け、サプライチェーンファイナンスプログラムを発表