1月16日、飲料世界大手蘭ハイネケンと総合電機世界大手独シーメンスは、醸造所における脱炭素化プログラムで協働すると発表した。
ハイネケンは同社のDX推進プラットフォーム「Siemens Xcelerator」を導入することで、アジア太平洋、南北アメリカ、ヨーロッパにまたがる15以上のビールおよび麦芽生産拠点でエネルギー使用量を削減する。第2フェーズでは、さらに拠点が追加される予定。
ハイネケンとシーメンスは、コンサルティング、監査、アドバイザリーサービスの初期プロジェクトで協力し、エネルギーデジタルツインを使用して典型的なハイネケンのビール工場を仮想世界でシミュレーション・分析し、大幅なエネルギー削減が可能な場所を特定。シミュレーションの結果、エネルギー使用量の約70%が醸造プロセスに必要な冷暖房の生成に関連していることが判明した。シーメンスは、エンド・ツー・エンド・プログラムを通じてこれらの冷暖房システムを最適化・監視することで、各拠点で15~20%のエネルギー削減、各拠点で平均50%のCO2削減を見込んでいる。
目標とするエネルギー使用量とCO2の削減を達成するため、シーメンスは、ハイネケンの世界中の生産拠点で拡張可能かつ再現可能なソリューションとサービスのエンド・ツー・エンド・プログラムを展開する。シーメンスは、各拠点のエネルギーデジタルツインと運用データを組み合わせて、再生可能エネルギーを動力源とするヒートポンプを使用して熱と冷却の生産を電化し、化石燃料から発生する蒸気への依存を減らすシステムを設計、エンジニアリング、導入する。本システムは、シーメンスの冷却プラント最適化アルゴリズムを使って監視、制御、最適化される。本アルゴリズムは、プラントからのデータを分析し、エネルギーコストを削減し、運転効率を確保するために組み込まれた分析機能を使用する。
長期的なパートナーシップ契約の一環として、シーメンスは5年間のパフォーマンスとモニタリング契約も締結し、データサービスを使用して生産現場を遠隔監視するシーメンスのシステムに醸造所を接続し、常に最適なソリューションが運用されるようにする。
ハイネケンは、2022年末時点で、2018年以来、スコープ1と2の炭素排出総量をすでに18%削減している。2022年には再生可能な電力消費量を58%まで増加させ、現在ビール工場向けに再生可能な熱ソリューションに投資している。
【参照ページ】
(原文)HEINEKEN selects Siemens for multi-phase decarbonisation program at breweries and malt houses
(日本語参考訳)ハイネケンとシーメンス、醸造所の脱炭素化プログラムで協働