12月4日、SASB Standards Boardは、SASBスタンダードの最初の改訂版を発表した。今回の改訂は、①金属・鉱業、②石炭事業、③資産管理・証券保管業務の3つの業界に焦点を当てている。
今回の改訂では、2つの業界(金属・鉱業、石炭事業)に含まれる開示項目が拡大され、3つ目の業界(資産運用・資産管理活動)に含まれる開示項目が縮小された。
SASBスタンダードは77の産業に合わせて作られている。すべての持続可能性の問題が各業界に等しく影響するわけではなく、同じ持続可能性の問題でも業界によって現れ方が異なるため、業界別のアプローチが採用されている。
今回、金属・鉱業、石炭事業で開示項目が増えたのは、250人以上が死亡、環境に甚大な被害をもたらしたブラジルのブルマディーニョにある鉱滓貯蔵施設の事故が影響している。
この事故の後、投資家から尾鉱管理の透明性向上を求める声が高まり、業界が尾鉱施設管理の水準を高めようと努力していることから、SASB基準委員会は、尾鉱施設が一般的に使用されている2つの業界でこの問題のカバー率を向上させる必要があると判断した。
一方で、「資産運用・証券保管業務」の開示項目では、流動性リスクや、融資・金融取引を通じた企業間の相互関係が取り上げられてたが、著名な業界規制の変更や企業からのフィードバックにより、このトピックが投資家にとって特に関連性の高いものではない可能性が示唆されていたため今回開示項目の削除となった。
【参照ページ】
(原文)SASB Standards Board Issues Updates to Coal Operations, Metals & Mining and Asset Management Industry Standards
(日本語訳)SASB基準委員会が石炭操業、金属・鉱業、資産管理の業界基準の更新を発表