WBCSD、COP26で企業別削減目標(CDC)を呼びかけ。NDCと同様のメカニズムを求める
11月3日、持続可能な開発のための世界経済人会議(WBCSD)は、「気候回復のためのビジネス・マニフェスト(マニフェスト)」を発表し、世界的な気候回復における民間セクターの進展を把握するための新たな企業別削減目標(CDC)メカニズムの開発を呼びかけた。
気候変動に関する政府間パネルの第6次評価報告書は、気候変動の深刻さについて明確に述べている。一方、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)の国別削減目標(NDC)統合報告書によると、世界の温室効果ガス(GHG)排出量は、2030年までに2010年比で16%増加する方向にあるとされている。世界は早急な気候変動対策を必要としており、民間企業は気候変動対策を加速するために大きな役割を担っている。
COP26で発表されたWBCSDのマニフェストは、世界で最も持続可能で野心的な企業がその声を結集して、世界の気候回復を加速するために必要なことを概説した初めての試みである。このマニフェストは、温室効果ガスの排出量を削減、除去、報告するという必須事項を中心に、12の行動優先順位で構成されている。
これまで、UNFCCCの締約国会議(COP)のプロセスは、政策立案者とビジネスリーダーの協同に最適化されていなかったが、今世紀の気候回復を達成するためには、この協同が不可欠である。さらに、公共部門の気候回復への貢献を測定するためのNDCのメカニズムは存在するが、民間部門にはそのようなメカニズムはない。
そこで、WBCSDは、企業の目標、野心、目的に対するビジネスの進捗状況と提供を把握するために、CDCの新しいグローバルなフレームワークの開発を求めている。
CDCは、気候変動対策の目標に対するビジネスの進捗状況や成果を評価するための新しい共通のメカニズムであり、報告された目標と排出量削減の進捗状況に基づき、COPで毎年評価される。また、透明性が高く測定可能なアプローチであり、企業が規制当局、政策立案者、消費者との信頼関係を構築し、グリーンウォッシュという不当な非難を避けることが可能になる。
【参照ページ】
(原文)WBCSD calls for Corporate Determined Contributions (CDCs) at COP26 to capture business progress in the global climate recovery
(日本語訳)WBCSD、COP26で企業別削減目標(CDC)を呼びかけ、世界的な気候回復におけるビジネスの進展を捉える