ロンドン証券取引所(LSE)は、世界中の炭素緩和プロジェクトへの投資を強化し、温室効果ガスの排出削減と大気中の炭素を除去するプロジェクトに資本を提供することを目的とした、ボランタリーカーボン市場*のための市場ソリューションを開発する計画を発表した。
温室効果ガスの放出を打ち消すカーボンオフセットプロジェクト及び関連するクレジットに対する需要は、今後数年間で大幅に増加することが予想される。これは企業や事業者がネット・ゼロの野望をこれまで以上に打ち出し、自らの絶対的な排出量削減努力への橋渡しとして、あるいは困難な排出回避のバランスをとるために、オフセットを利用するようになるからである。
LSEは、今回の市場開設により、ボランタリーカーボン市場の発展を妨げる主な障壁に対処することを目指している。これには、世界中の新しい気候変動プロジェクトの開発に必要な大規模な資本へのアクセスや、企業や投資家が高品質なカーボンクレジットを長期的に供給するための一次市場へのアクセスの必要性が含まれる。
LSEによると、この新しいソリューションは、同取引所の既存の市場インフラを活用し、カーボン・クレジット・プロジェクトに関連する特定の要件を追加して作成される。
LSEの市場は、炭素市場の透明性と流動性を向上させることを目的とした、新しいソリューション市場の一部となる。先週、取引所および決済機関を運営するインターコンチネンタル取引所(ICE)は、市場参加者が農業、林業、その他の土地利用分野における自然資産の価値を評価できるようにするため、初のNBS(Nature-Based Solutions)炭素クレジット先物取引を開始する計画を発表した。
※NGOなど民間企業が運営するクレジット市場
【参照ページ】
(原文)The London Stock Exchange is developing a new market solution for the voluntary carbon markets
(日本語訳)ロンドン証券取引所、ボランタリーカーボン市場のための新しいマーケットソリューションを開発