グーグル、アラブルと協業拡大―水資源回復と農業効率化

5月29日、グーグルは農業テクノロジー企業Arableとの水資源保全に関する協業をノースカロライナ州およびサウスカロライナ州に拡大すると発表した。本プロジェクトでは、Edisto-Santee、Catawba、Pee Deeといった流域において、農業用水の使用効率を高めることで地下水の枯渇リスクを抑え、水の持続的な利用を目指す。

グーグルは両州あわせて2万エーカーの農地にアラブルの技術を導入するための資金を提供し、年間5億ガロン以上の節水を8年間にわたって実現する計画だ。アラブルの「作物インテリジェンス・プラットフォーム」は、天候、土壌、灌漑、水需要などのデータを統合し、作物ごとに最適な灌漑量をリアルタイムで提示する。

この取り組みは、グーグルが掲げる「2030年までに消費量を上回る水資源の再生」目標の一環であり、農業の生産性向上と地域の水資源保護を両立させるモデルとなる。これにより、地下水資源が逼迫する地域において水質・水量の改善、農家へのテクノロジー教育、温室効果ガス排出削減など多角的な恩恵が期待されている。

本プロジェクトは、ネブラスカ州などでの先行事例で得られた成功を基に、全米への展開も視野に入れており、今後の水資源ステュワードシップのモデルケースとして注目される。

(原文)Google and Arable Expand Innovative Water Stewardship Collaboration to the Carolinas

関連記事

おすすめ記事

  1. TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    2025-7-10

    TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    ※本記事は2024年10月の内容にGX-ETSに関する内容を追記し再掲載している。(2025年7月…
  2. TNFD開示を支援する 主要ツール比較と選定ポイント

    2025-6-11

    TNFD開示を支援する 主要ツール比較と選定ポイント

    2024年にTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース(Taskforce on Nature-…
  3. 進化するサステナビリティ開示 ― 傾向から考える“自社の対応状況”

    2025-6-6

    進化するサステナビリティ開示 ― 傾向から考える“自社の対応状況”

    サステナビリティ情報開示の高度化が急速に進んでいる。TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)…

ピックアップ記事

  1. 2025-7-24

    対談:国連グローバル・コンパクト氏家氏および気候変動イニシアティブ加藤氏に聞く:「気候変動と人権」の諸問題および日本企業に期待される対応について(前編)

    前編:現在の国際的政治的状況の変化を含めた企業のサステナビリティ行動の今後の行方 本記事は、…
  2. 2025-7-24

    米企業の87%、サステナ投資を維持・拡大 「グリーンハッシング」広がる

    7月15日、サステナビリティ(持続可能性)評価を手掛ける仏エコバディスが発表した調査によると、米国…
  3. サステナビリティ開示の情報品質とはーSSBJ基準に示されたポイント解説

    2025-7-23

    サステナビリティ開示の情報品質とはーSSBJ基準に示されたポイント解説

    ※本記事は、2025年6月に発行した記事にSSBJハンドブックからの内容を一部追記し再掲載している…

““登録03へのリンク"

ページ上部へ戻る