
5月7日、スペインの電力大手イベルドローラは、欧州連合(EU)の新たなグリーンボンド基準(EU GBS)および国際資本市場協会(ICMA)のグリーンボンド原則の双方に準拠した世界初のグリーンボンドを発行した。10年満期で7億5,000万ユーロを調達するこの取引は、同社が財務健全性と持続可能性の両立に一層注力している姿勢を示すものとなった。
この債券発行は市場から高い注目を集め、募集額の5倍にあたる37億ユーロ以上の需要を記録した。最終的なクーポンは3.5%に設定され、発行スプレッドは同期間のミッドスワップに対して110ベーシスポイント。理論価格に対してプレミアムなしでの発行が実現した。
イベルドローラは調達した資金を、同社がすでに運用中、または建設中の再生可能エネルギープロジェクトに充てる。投資家構成は英国(32%)、フランス(28%)、ドイツ(11%)、ベネルクス(10%)、スペイン(9%)など欧州全域に広がり、その93%がサステナビリティ重視の投資家であった。
本取引は、今年3月に実施された株価連動型グリーンボンド(5年満期・4億ユーロ調達)に続くもので、同行の良好な流動性ポジション(3月末時点で209億ユーロ)をさらに強化した。今後もグローバルな成長を維持しつつ、財務基盤の強化とESG戦略の深化を進める方針だ。なお、2025年第1四半期にはファンド・フロム・オペレーション(FFO)が前年比11%増の35億ユーロ超となり、ENWの統合後も信用格付けを維持している。