12月15日、米エネルギー省(DOE)クリーンエネルギー実証局(OCED)は、天然ガスおよび石炭火力発電所からの排出を削減するための炭素回収・輸送・貯蔵技術の実証を目的としたプロジェクト3件に対し、最大8億9000万ドル(約1,278億円)を授与すると発表した。
DOEによると、カリフォルニア州、ノースダコタ州、テキサス州にある3つのプロジェクトは、発電所から排出される年間775万トンを削減する可能性がある。
今回の受賞は、OCEDの炭素回収実証プロジェクト・プログラムの一環である。2022年に開始されたこの25億ドル(約3,589億円)のプログラムは、化石エネルギー発電所や、セメント・パルプ・製紙、鉄鋼、化学生産施設などの主要なCO2排出源で複製・実施可能な、統合的な炭素回収・輸送・貯蔵技術とインフラに重点を置き、炭素管理技術の実証と展開を加速させることを目的としている。
本プログラムは、超党派インフラ法によって資金提供され、炭素管理プロジェクトやイニシアティブに5年間で約65億ドル(約9,333億円)の資金が割り当てられる。
テキサス州のベイタウン炭素回収・貯留(CCS)プロジェクトは、天然ガス複合火力発電所から排出される炭素を回収し、メキシコ湾岸に貯留しようとするもので、冷却には淡水の代わりに再利用した中水の利用を検討している。本プロジェクトは、サター・エナジー・センター天然ガスコンバインドサイクル発電所で計画されている商業規模の炭素回収システムにおいて、新しい空冷システムを利用して冷却水の使用をなくし、淡水の使用量を大幅に削減することを目的としている。
今回のプロジェクト賞には、年間200万トンのCO2回収が可能と見積もられるベイタウンCCSプロジェクトに最大2億7000万ドル(約387億円)、年間400万トンの炭素回収が計画されているプロジェクト・ツンドラに最大3億5000万ドル(約502億円)、年間175万トンのCO2回収を目的とするサター脱炭素化プロジェクトに最大2億7000万ドル(約387億円)が含まれる。カルパインの子会社がベイタウンとサターの両プロジェクトの元請けであり、ダコタ・カーボン・センター・イースト・プロジェクトLLCがプロジェクト・ツンドラの元請けである。
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(参考記事)US awards up to $890 million to carbon capture projects at gas, coal plants