TfS、化学分野のスコープ3算定ガイドラインを策定

9月22日、化学業界全体のCSR基準を引き上げる37社のグローバルネットワークである Together for Sustainability (TfS) は、化学企業がサプライチェーン上流の排出量を計算・追跡する方法を変革する、初のガイドラインを発表した。

新しい TfS ガイドラインは、製品カーボンフットプリント(PCF)と企業のスコープ 3 排出量報告を対象とし、具体的な計算方法を示している。本ガイドラインは、業界全体におけるPCFの計算方法を統一し、製品の気候変動への影響を直接比較・評価することを可能にする。

今回のガイドライン策定にあたって、TfSは、世界経済フォーラム(WEF)、持続可能な発展のための世界経済人会議(WBCSD)などの組織や、世界のNGO、企業のサステナビリティ専門家と連携した。

化学産業は、世界の温室効果ガス(GHG)排出量の7%を占め、その77%はスコープ3に属すると推定されている。新ガイドラインは、企業がパリ協定の目標に沿った排出量の削減、企業の持続可能性目標の設定、透明性に対する顧客からの要求の高まりに対応するために策定された。

PCFガイドラインの第1版は、サプライヤーのPCF算出のための仕様の規定に焦点を当てている。企業レベルでの報告原則やスコープ3.1算定に関するガイダンスなど4つの章を追加し、2022年11月に発行する予定。本ガイドラインは、オープンソースとして公開され、他の産業での利用も期待されている。

【参照ページ】
(原文)Press release: New Expert Guideline enables chemical sector to tackle Scope 3 emissions
(日本語訳)プレスリリース: 新しいエキスパート ガイドラインにより、化学セクターはスコープ 3 排出量に取り組むことが可能になります

関連記事

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. 2025-6-18

    アキレス、ESG報告を効率化する新ソリューション「Comply360」を発表

    6月10日、サプライチェーンのリスクおよびパフォーマンス管理を手がけるアキレス(Achilles)…
  2. サステナビリティ開示の情報品質とはーSSBJ基準に示されたポイント解説

    2025-6-17

    サステナビリティ開示の情報品質とはーSSBJ基準に示されたポイント解説

    2025年3月にSSBJ(サステナビリティ基準委員会)よりサステナビリティ開示基準が公表され、27…
  3. 2025-6-16

    機関投資家のESG投資への意欲揺るがず―BNPパリバ調査

    5月、BNPパリバの証券サービス部門は世界の機関投資家を対象としたESG(環境・社会・ガバナンス)…

““登録03へのリンク"

ページ上部へ戻る