WHO、脂肪と炭水化物に関するガイドラインを更新

7月17日、WHOは、最新の科学的エビデンスに基づき、総脂肪、飽和脂肪酸、トランス脂肪酸、炭水化物に関する指針を更新した。

「成人と小児の飽和脂肪酸とトランス脂肪酸摂取量」「成人と小児の不健康な体重増加予防のための総脂肪摂取量」「成人と小児の炭水化物摂取量」の3つの新しいガイドラインは、不健康な体重増加や、2型糖尿病、心血管疾患、ある種のがんなどの食事に関連する非感染性疾患のリスクを減らすことを目的とした勧告を含んでいる。

WHOは、食事脂肪に関するガイダンスで、健康のためには量と質の両方が重要であることを指摘。成人は総脂肪摂取量を総エネルギー摂取量の30%以下に制限すべきであることを再確認している。 2歳以上のすべての人が摂取する脂肪は主に不飽和脂肪酸であるべきとし、飽和脂肪酸からの摂取は総エネルギー摂取量の10%以下、工業的に生産されたものと反芻動物由来のトランス脂肪酸からの摂取は総エネルギー摂取量の1%以下であるべきと述べた。

食事中の飽和脂肪酸とトランス脂肪酸は、植物由来の多価不飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、または全粒穀物、野菜、果物、豆類などの天然由来の食物繊維を含む食品からの炭水化物などの他の栄養素で置き換えることができる。

飽和脂肪酸は、脂肪分の多い肉、乳製品、バター、ギー、ラード、パーム油、ココナッツ油などの硬質油脂に含まれる。トランス脂肪酸は、焼き菓子や揚げ物、包装済みのスナック菓子、牛や羊などの反芻動物の肉や乳製品に含まれる。

遊離糖の摂取を制限するWHOの既存のガイダンスとともに、炭水化物の摂取に関する新しいガイダンスは、健康にとって炭水化物の質が重要であることを強調。WHOは、2歳以上のすべての人の炭水化物摂取は、主に全粒穀物、野菜、果物、豆類から摂取すべきであるという新たな勧告を提示している。WHOは、成人が1日に少なくとも400グラムの野菜と果物、25グラムの天然食物繊維を摂取することを推奨している。またWHOは、子供と青少年に対する初めての指針として、野菜と果物の摂取量を以下のように提案している。

  • 2~5歳:1日250g以上
  • 6~9歳:1日350g以上
  • 10歳以上:1日400g以上

天然食物繊維の摂取量は以下の通り。

  • 2~5歳:1日15g以上
  • 6~9歳:1日あたり21g以上
  • 10歳以上は1日25g以上

【参照ページ】
(原文)WHO updates guidelines on fats and carbohydrates
(日本語訳)WHO、脂肪と炭水化物に関するガイドラインを更新

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-7-2

    シェルパ、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)理事・小森氏をゲストにウェビナー「ISSBが示すサステナビリティ情報開示の考え方」を実施

    - ISSB基準に関する最新動向から企業価値向上に向けた戦略的情報開示についてまで、講演と対談を通…
  2. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  3. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…

ピックアップ記事

  1. 2025-7-1

    カナダ年金基金、2030年までに4,000億ドルの気候投資

    6月19日、カナダの大手機関投資家であるケベック州貯蓄投資公庫(CDPQ)は、2050年ネットゼロ…
  2. 2025-7-1

    GRI、サステナビリティ報告のデジタル化を促進する新「サステナビリティ・タクソノミー」を発表

    6月19日、GRI(Global Reporting Initiative)は、新たに「GRI S…
  3. GRI 102/103 新基準の実務チェックポイント:IFRS/ISSB基準と一部整合へ

    2025-6-30

    GRI 102/103 新基準の実務チェックポイント:IFRS/ISSB基準と一部整合へ

    サステナビリティ情報開示における基準間の整合性の確保は、ますます重要な課題となっている。CSRD(…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る