4月17日、ポツダム気候影響研究所(PIK)の研究員らは気候条件の変化が経済成長とその持続性に及ぼす将来の影響を評価した論文を発表した。 当論文は 『ネイチャー』誌に掲載されている。
当論文によると、現在からCO2排出量を大幅に削減したとしても、世界経済は気候変動によって2050年までに19%の所得減少を約束されているという。この損害は、地球温暖化を2度に抑えるために必要な緩和コストの6倍に相当する。
所得減少の被害を小さくするためにはより多くの適応努力が必要である。PIKは、適応努力をしなかった場合、21世紀後半には経済的損失はさらに大きくなり、2100年には世界平均で損失が60%に達すると示している。
またPIKは、気候変動の影響に関する不公平についても指摘している。気候変動による被害はすべての地域で起こるが、熱帯の国々はすでに気温が上昇しているため、被害が他の国々と比べて大きくなるとされている。気候変動に対する責任が小さい国々は、高所得国よりも60%、高排出国よりも40%も大きな所得損失を被ると予測されている。
【参照ページ】
(原文)38 trillion dollars in damages each year: World economy already committed to income reduction of 19 % due to climate change
(日本語参考訳)毎年38兆ドルの損害 世界経済はすでに気候変動により19%の所得削減を約束