S&Pグローバル・レーティング、ESGクレジット指標の定量表示を廃止

8月4日、信用格付世界大手S&Pグローバル・レーティングスは、信用格付レポートにおけるESGクレジット指標の定量評価表示の廃止を発表した。

本発表によって定量評価表示がなくなったとしても、ESGファクターが信用リスクに及ぼす影響のメソドロジーは影響しない。また、定性判断を記すコーナーは続けるが、レポートの読者にとって、定性判断の度合いが定量的に把握しづらくなる可能性がある。同社は、ESGに関する今後の調査レポートの発表を続ける意向を示した。

2021年、S&P グローバル・レーティングスは、一部のセクターとアセットクラスの公的格付け企業について、ESG信用指標の公表を開始した。これらの指標は、格付分析におけるESGクレジット・ファクターの関連性を説明・要約し、同社の格付報告書における説明的なパラグラフを補完するものである。更なる検討の結果、格付けレポート中の分析に特化した説明パラグラフが、ESG信用要因の詳細と透明性を提供する上で最も効果的であると判断したという。

【参照ページ】
S&P Global Ratings Update On ESG Credit Indicators

関連記事

おすすめ記事

  1. TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    2025-7-10

    TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    ※本記事は2024年10月の内容にGX-ETSに関する内容を追記し再掲載している。(2025年7月…
  2. TNFD開示を支援する 主要ツール比較と選定ポイント

    2025-6-11

    TNFD開示を支援する 主要ツール比較と選定ポイント

    2024年にTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース(Taskforce on Nature-…
  3. 進化するサステナビリティ開示 ― 傾向から考える“自社の対応状況”

    2025-6-6

    進化するサステナビリティ開示 ― 傾向から考える“自社の対応状況”

    サステナビリティ情報開示の高度化が急速に進んでいる。TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)…

ピックアップ記事

  1. SSBJ(気候関連開示基準)とGX-ETSの共通点とは?~比較解説と実務効率化~

    2025-8-14

    SSBJ(気候関連開示基準)とGX-ETSの共通点とは?~比較解説と実務効率化~

    日本企業にとって、2026年から「気候変動対応・開示」は、企業価値を左右する重要な経営課題になるで…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 2025-8-11

    バークレイズ、サステナブルファイナンスで累計2,200億ドルを達成

    7月29日、英国大手銀行バークレイズは、2025年上半期のサステナビリティ投資家向けプレゼンテーシ…

““登録03へのリンク"

ページ上部へ戻る