3月7日、Morgan Stanleyは、いくつかの農業および土地利用分野の顧客に対する森林破壊政策の強化を約束したと、環境・社会重視の投資家であるGreen Century Fundsが、金融サービス会社の2023年年次総会に提案書を提出していたことを明らかにした。
Green Centuryは、Morgan Stanleyからのコミットメントを受けて、提案を取り下げた。
国連が支援するRace to Zeroが発表した報告書によると、土地ベースのバリューチェーンを持つ企業、特に森林・土地・農業セクターに起因する森林破壊は、世界の温室効果ガス(GHG)排出量のかなりの割合を占めていることがわかった。本セクターは、世界の排出量の22%を占めており、その半分は森林破壊が原因となっている。
【関連記事】Race to Zero報告書:気候変動に関する目標を達成するためには、森林破壊に対する企業の緊急行動が必要
国連食糧農業機関(FAO)によると、1990年から2020年の間に、推定4億2000万ヘクタール(EUを上回る面積)の森林が森林伐採によって失われたとされている。世界の森林破壊の大部分を占める主要製品には、牛肉、大豆、パーム油、木材製品などがある。
Green Centuryによると、Morgan Stanleyは、パーム油と林業の顧客に対する現行の基準をベストプラクティスを反映して強化し、森林破壊のリスクが高い地域で事業を行う大豆と牛肉の顧客に対する新しい書面基準を作成することに合意した。森林破壊リスクの高い地域で事業を行う大豆や牛肉の顧客に対しては、新たな基準書を作成する予定である。
保全価値の高い森林にある木材の顧客に対しては、Morgan Stanleyは、ベストプラクティスの森林管理協議会(FSC)認証、またはそれを達成するための期限付きの計画を要求する。また、リスクの高い地域における牛肉取引先の森林破壊防止方針とその実践について、より充実したレビューを要求する予定である。
【参照ページ】
(原文)Morgan Stanley* to adopt new deforestation policies in response to Green Century Funds’ shareholder proposal
(日本語参考訳)Morgan Stanley、顧客に対する森林破壊対策を強化