2月28日、FAIRRは、自然保護と生物多様性を重視する5つの団体と共同で、投資家の力を活用し、水産関連企業に自然や生物多様性に関する重要な影響とリスクについて関与するイニシアティブを開始した。
本イニシアティブは、水産物バリューチェーンから乱獲、違法行為、生息地の転換をなくすことを目標に投資家グループを招集し、主要な水産関連企業に対してターゲットを絞ったエンゲージメントを実施する予定である。
FAIRRは、世界自然保護基金(WWF)、UNEP FIのSustainable Blue Economy Finance Initiative、World Benchmarking Alliance(WBA)、Planet Trackerと共同で、総合力を発揮して企業の水産物のサステナビリティにおけるベストプラクティスへの取り組みと実施を強化する。
第一段階として、投資家行動グループは、水産物のサステナビリティに関するベストプラクティスの取り組みについて、水産関連企業に働きかける。例えば、フルチェーンのトレーサビリティシステムの開発、混獲と廃棄の削減、食品ロスと廃棄の削減、世界的に認められた基準への適合に向けた取り組みなどである。この取り組みに参加することで、投資家はUNEP FI Sustainable Blue Economy Finance Initiativeのような科学的根拠に基づく海洋関連の原則や指針を満たすことができ、また、Taskforce on Nature-related Financial Disclosuresのようなポートフォリオにおける自然や生物多様性のリスクに取り組む新しい取り組みに先んじることができる。
共同作業の開始は、発表されたWWFの新しい報告書を受けたもの。報告書「Getting Underway: 2022 水産関連投資におけるE&Sリスクへの取り組みに関する資産運用会社のベースライン評価」 は、ほとんどの資産運用会社が生物多様性や自然資本の影響をリスクとして公的に認識しているにもかかわらず、水産物関連のリスクや影響は、ほとんどの場合、対処されていないことを明らかにした。
報告書によると、公開情報を評価した42の資産運用会社のうち、投資先企業に対して水産物に特化した環境・社会(E&S)期待を策定し、公開しているのは1社のみであった。これを受け、特に発表されたようなコラボレーションを通じて、問題に対する投資家の関与を高める必要性を強調した。
【参照ページ】
(原文)FAIRR Co-Launches New Investor Collaboration to Engage the Seafood Sector on Key Nature Risks and Impacts
(日本語参考訳)FAIRR、自然界のリスクと影響について水産業界を巻き込む新たな投資家コラボレーションを共同で開始