ロジスティクス業界大手の独DHLグループは、Express部門が長距離輸送に水素を燃料とするトラックを試験的に導入することを発表し、アップル社がこの新しいソリューションを試す最初の顧客となった。
この試験は、Interreg NW Europeのプログラム「H2-Share」の一環として行われるもので、
欧州では、物流用途の水素を動力源とする低炭素大型車両の開発を促進することを目的としている。
水素は、クリーンなエネルギーキャリアや燃料として、また、グリーンケミカルを製造するためのCO2ニュートラルな原料として機能することから、クリーンなエネルギーの未来への移行のための重要な構成要素の一つと考えられている。しかし、工業生産や輸送などの分野で広く水素を利用するためには、生産、インフラ、普及に多大な投資が必要だ。
DHLは、バッテリー駆動のトラックなどの技術はラストワンマイルの配送に使用できるものの、ゼロエミッションのラインホールソリューションを提供するためには、水素のような再生可能エネルギーの燃料が不可欠であると述べている。パイロットプログラムでテストされているトラックは、オランダとベルギーを結ぶクロスボーダーのルートで、毎日約200kmの距離を走り、毎日燃料を補給している。
この新しい水素パイロットプログラムは、今年初めに発表されたDHLのサステナビリティロードマップに続くもので、より野心的な気候目標の導入や、役員報酬とESG目標との関連付けなどを含む、一連の脱炭素化および環境サステナビリティに関するコミットメントを含んでいる。DHLの目標には、航空輸送および長距離輸送に必要な燃料の少なくとも30%を持続可能な燃料で賄うという目標が含まれている。ロードマップを発表して以来、DHLは持続可能な航空燃料プログラム、オール電化貨物機の発注、脱炭素海上輸送の提供、カーボンニュートラルな米国内配送オプションなど、いくつかの低炭素輸送イニシアチブを発表している。
【参照ページ】DHL Express is piloting the first hydrogen truck throughout Deutsche Post DHL Group