Science Based Targets initiative(SBTi)は、PEファンドが投資ポートフォリオや事業を、2℃より十分低い気候シナリオや1.5℃の気候シナリオを含むグローバルな気候目標に一致させることが可能になるガイダンスを発表した。
2015年に設立されたSBTiは、科学的根拠に基づく環境目標設定を企業の標準的な慣行として
確立することを目的に、CDP、世界資源研究所(WRI)、世界自然保護基金(WWF)、国連グローバル・コンパクト(UNGC)の協力により設立された。2018年に気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の「1.5℃に関する特別報告書」が発表され、1.5℃の温暖化の影響が強調され、世界的な対応の強化が求められたことを受けて、SBTiは1.5℃の目標設定を加速させることを目的としたキャンペーン「Business Ambition for 1.5℃」を開始した。
今年初め、SBTiは承認された気候ターゲットの基準を強化し、気候変動の最悪の影響を回避するために必要な1.5℃の温暖化防止目標に沿ったターゲットのみを近々受け入れることを発表した。
本ガイダンスは、アンシスとのパートナーシップにより作成され、国連PRIとイニシアティブ・クライマ・インターナショナル(ICi)の署名者の支援を受け、セクターの専門家、NGO、PEを含む専門家諮問グループにより開発された。本ガイダンスは、PE独自のビジネスモデルと資産クラスに合わせて作成され、目標の策定と達成においてPEが直面する課題を特定し、対処している。
ガイダンスの発表と同時に、1,300億ユーロ以上の運用資産を持つ6つのPE(Astorg、Bregal Investments、FSN Capital、Hg、Intermediate Capital Group、Investindustrial)が、SBTiが承認した1.5℃に沿った目標を設定したことを発表した。
さらにSBTiは、Altor Equity Partners、Eurazeo、Montagu Private Equity、Tikehau Capital、Triton PartnersなどのPEが、2年以内に独自のターゲットを承認することを約束したと報告した。
【参照ページ】
(原文)Six Private Equity Firms representing €133 bn AUM combat climate change with ambitious science based targets
(日本語訳)SBTi、プライベート・エクイティ向けに気候目標に合わせたポートフォリオ調整ガイダンスを発表