10月10日、デジタルメディアと広告業界の脱炭素化を目指す持続可能な共同プラットフォーム、Scope3は、GV(旧Google Ventures)が主導する戦略的資金調達ラウンドで2500万ドルの新規資金を調達したことを発表した。本資金は、Scope3が広告業界以外にも事業を拡大し、特にAI(人工知能)のカーボンフットプリントの測定と削減に向けた取り組みに充てられる。
このラウンドには、既存の投資家であるVenrock、Room40 Ventures、Craft Venturesに加え、新たにAperiam VenturesとVirgo Strategic Investmentsも参加した。Scope3は、2021年の創業以来、広告キャンペーンの持続可能性を促進し、オープンソースの手法を提供することで、業界に二酸化炭素排出量を分析・削減するツールを提供している。これまでに、コカ・コーラ、ゼネラルモーターズ、マスターカード、サノフィなど、数千ものブランドがScope3の技術を導入し、約3000トンの二酸化炭素排出を回避した。
Scope3は今回、AI技術の急速な発展が環境に与える影響に注目し、広告とメディア業界における脱炭素化の実績を基に、AI技術に対応したソリューションの提供を進めている。Scope3の共同創設者兼CEOであるブライアン・オケリー氏は次のように述べている。
「AIとメディア業界は将来的に区別がつかなくなるでしょう。AIの主要プレーヤーは、広告を通じてマネタイズしており、マーケティング担当者はAIを使ってキャンペーン用のコンテンツを作成している。このため、AIが気候変動に与える影響を測定することは、我々のビジネスにも、業界全体にとっても極めて重要である。」
Scope3は、ジェネレーティブAIのカーボンフットプリントと水の使用量を測定するための新しい方法論を開発し、環境への負担を軽減しつつ企業のAI戦略を支援することを目指している。今後は、広告やマーケティング分野に限らず、AI技術の持続可能性を推進し、企業がビジネスの成功と環境目標の両立を図るための新たなソリューションを提供していく予定である。
【参照ページ】
(原文)Scope3 Expands to Sustainable AI, Releases AI Methodology and Lands $25M in New Funding
(日本語参考訳)Scope3が持続可能なAIに進出、AI手法を発表、2500万ドルの新規資金を獲得