10月8日、米国大手取引所であるインターコンチネンタル取引所(ICE)は、新たなマルチ資産クラス気候移行リスクソリューションを発表した。このソリューションは、地方債、住宅ローン担保証券(MBS)、不動産を含むさまざまな固定収入資産クラスに対し、排出量の推定値とポートフォリオ分析を提供し、スコープ1、スコープ2、スコープ3に対応した排出量データをカバーする。これにより、既存の政府債券や企業株式、非公開企業のデータとともに、幅広い固定収入資産クラス全体にわたる排出量の評価とベンチマークが統合された形で可能となる。
ICEの新しいソリューションは、RMBS(住宅ローン担保証券)やCMBS(商業不動産担保証券)、非公開企業といったこれまで十分にカバーされていなかったサブアセットクラスの排出データも提供する。このデータを統合することで、複数の資産クラスにわたるファイナンス排出量を追跡し、統一的なポートフォリオ指標を作成することが可能になる。これにより、物理的リスクと移行リスクの両方を考慮した、包括的なポートフォリオのカバレッジを実現する。
ICEのマルチ資産クラス移行リスク・ソリューションは、PCAF(Partnership for Carbon Accounting Financials)に準拠したファイナンス排出データを提供し、米国内の1億1,000万件以上の物件および世界中の420万件以上の固定収入証券をカバーする。このソリューションを活用することで、クライアントは高度なポートフォリオ分析を通じて、マルチ資産クラスのポートフォリオ全体にわたる総排出量を評価し、移行リスク戦略を支援できる。また、各資産クラスに合わせたICE独自の手法により、スコープ1、2、3の排出量推定値やカーボン強度指標を提供し、気候規制の報告要件を満たすための包括的な排出追跡を可能にする。
【参照ページ】
(原文)ICE Introduces Multi-Asset Class Climate Transition Risk Solution