世界経済フォーラム等、IFACCイニシアティブ発足。8社が加盟

11月2日、世界経済フォーラムの熱帯林同盟、国連環境計画が立ち上げた「アマゾン、セラード、チャコのための革新的金融(IFACC)」イニシアチブは、2022年までに30億ドル(約3,400億円)相当の投資を約束し、2億ドル(約220億円)以上を支出することを発表した。

本イニシアティブは、産業が拡大する中で土地を守ることを目的としており、2025年までに投資額100億ドル(約1.1兆円)、支出額10億ドル(約1,150億円)を目標に、金融機関やアグリビジネス企業など8社が参加し、南米における森林破壊と土地利用変化を伴わない大豆と畜牛を促進する。

グリーンファンド、AGRI3、デュアグロ、グルーポ・ガイア、JGPアセットマネジメント、シンジェンタ、サステナブル・インベストメント・マネジメント、VERTの8社は、COP26で開催された世界首脳会議において、この地域のコモディティ生産をより持続可能なモデルに移行する計画の一環として、IFACC宣言に署名し、資金拠出を行うことを発表した。

牛や大豆の生産は、これらの貴重な生態系における森林伐採や自然植生の転換の最大の要因のひとつであり、「森林にポジティブな」生産モデルへの投資を拡大することが重要である。これは、サプライチェーンでの調達の約束、トレーサビリティシステム、土地利用・貿易政策の改革、司法権を利用したアプローチなど、他の取り組みを補完するものである。

民間企業が提供する資金は、農家がより持続可能なビジネスモデルに移行するための資金供給を促進する。本ビジネスモデルには、劣化した牧草地での生産拡大や、持続可能な牧畜の強化による収穫量の増加などが含まれる。

世界の農業需要は、人口増加率の2倍以上という驚異的なスピードで増加しており、森林破壊のない製品に対する国際的な需要の高まり、消費国における規制の変化、投資家の期待などにより、食料生産システムの大幅な転換が求められている。

【参照ページ】
(原文)Financial Institutions and Agribusinesses Commit $3 Billion to Sustainable Production
(日本語訳)世界経済フォーラム等、IFACCイニシアチブ発足

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…

ピックアップ記事

  1. 2025-9-16

    セブン&アイHD、TCFD・TNFD統合開示を公表 財務インパクトの試算と自然資本分析も深化

    9月8日、セブン&アイ・ホールディングスは、「気候・自然関連情報報告書―TCFD・TNFD統合開示…
  2. ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    2025-9-15

    ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …
  3. 2025-9-12

    ISOとGHGプロトコル、温室効果ガス基準を統合へ 世界共通言語の構築目指す

    9月9日、ISO(国際標準化機構)とGHGプロトコルが、既存のGHG基準を統合し、新たな排出量算定…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る